日産新型「キックス」は電動SUVとして市場をかき乱す!? SUVの新たな波とは
日産が2020年5月15日にタイで発表した新型「キックス」は、コンパクトSUV市場にどのような影響を与えるのでしょうか。
新型「キックス」に搭載されている「e-POWER」とは
2020年5月15日に、日産は新型「キックス」をタイで発表しました。新型キックスは日本でも発売されるといわれているコンパクトSUVで、これまで同社にラインナップされていた「ジューク」に代わるモデルです。
そして、新型キックスはコンパクトSUV市場において、パワートレインの種類という点においても画期的な選択肢になることが予想されます。いったい、どのような変化を起こすのでしょうか。
日本自動車販売協会連合会が発表する販売台数データを見ると、2019年のコンパクトSUV市場において、もっとも販売台数が多かったのはホンダ「ヴェゼル」で、次いでトヨタ「C-HR」、スズキ「クロスビー」などが続く状況です。
これらの車種のパワートレインは、ヴェゼルとC-HRにはガソリン仕様のほかにハイブリッド仕様がラインナップされており、クロスビーはマイルドハイブリッドシステムが全車に標準装備。趣味性の強いSUVというカテゴリにおいても、走行性能や燃費性能の高さが求められていることがうかがえます。
一方、2019年11月に発売されたトヨタ「ライズ」/ダイハツ「ロッキー」は、1リッターターボのみの設定となっているほか、マツダが2019年10月に発売した「CX-30」はガソリン仕様のほかにディーゼル仕様や、世界初のSPCCI(火花点火制御圧縮着火)方式を採用した「SKYACTIV-X」の仕様もラインナップ。
ハイブリッドシステムを搭載したモデルが多い一方で、用意しない独自路線を進むモデルもあるなど、バラエティ豊かになっています。
そんななか、タイで発表された新型キックスには「e-POWER」というパワートレインが搭載されています。
e-POWERは、日産が2016年にコンパクトカー「ノート」に初搭載したシステムです。ハイブリッドのなかでは「シリーズ式ハイブリッド」と呼ばれるものにあたり、エンジンは発電に専念。モーターによって駆動する仕組みになります。
このシステムは一般的にはハイブリッドの1種ではあるものの、日産は「e-POWER」という独自の名称を用いて各種宣伝を開始。それが奏功して、e-POWER効果でノートは売上を大きく伸ばすことになります。
登録車販売ランキングにおいて、2016年のノートの年間販売台数は10万2402台でランキング5位という結果でした。しかし、翌2017年は13万8905台を記録しランキング2位、トヨタ「アクア」やホンダ「フィット」などの人気コンパクトカーを抑え、日本でもっとも売れているコンパクトカーの座を獲得します。
その後、2018年には13万6324台を販売し、ついに登録車ランキング全体において首位となります。日産にとって、登録販売ランキング(暦年)で初めての首位獲得という快挙を成し遂げました。
ユーザーからのノートの評判について、日産の販売店に話を聞くと、「とくにe-POWERについて、お客さまから問い合わせをいただくことが多いです」と話すなど、ノート自体が持つ魅力に加え、e-POWER搭載という点に魅力を感じる人も多いようです。
好調なe-POWERは2018年3月にミニバンの「セレナ」にも搭載され、より認知度を上げていきます。
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今回日産はSUVにはじめてe-POWERを導入。e-POWER専売とも噂される新型キックスが国内で発売されれば、搭載されるのは3車種目となります。
そして、多くのユーザーにから見てe-POWERは一般的なハイブリッドとは違う存在として認識されていることから、ハイブリッド車が優勢のコンパクトSUV市場に、新たな選択肢となるe-POWERの新型キックスが登場するという構図になるのです。
日産の主力モデルであるノートとセレナに搭載されたことで、e-POWER自体の注目度は抜群。新型キックスがコンパクトSUV市場にどれほどのe-POWER旋風を巻き起こせるのかが注目です。
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