カウンタックにロータスヨーロッパ。カー消しに王冠。あの頃の「スーパーカーブーム」とは

身近にスーパーカーを感じられた玩具たち

 スーパーカーブームは小学生の男の子に新しい遊びを与えてくれた。それが『スーパーカー消しゴム』だ。

スーパーカー消しゴム(通称:カー消し)。BOXYというボールペンで弾いて遊んだ(c)高桑秀典
スーパーカー消しゴム(通称:カー消し)。BOXYというボールペンで弾いて遊んだ(c)高桑秀典

 これはガチャガチャ(カプセルトイ)で買える、スーパーカーを模した消しゴムだ。ただし、硬質なプラスチックというだけで、消しゴムとして使うことができなかった。しかし、一応「これは消しゴムなので、学校に持っていってもOK」という苦しい言い訳のための名称であったのだ。

 ボールペンのノック機構を使って、スーパーカー消しゴムを弾いて遊んだ。ボールペンは、側面が平らで机の上などに置きやすいBOXYという製品が定番であった。

 机の上で順番にスーパーカー消しゴムを弾きあって、机の下に落としたり、机の上に描いたコースを弾いて競争をおこなった。

 少しでも、強く遠くに弾くために、スーパーカー消しゴムの下に接着剤を塗るなどして滑りをよくしたり、またボールペンのバネを強化(伸ばしたり、バネを2本仕込んだり)するなどの技も生まれる。もちろん、数多く所有したほうが偉いというような雰囲気があったのだ。

 また、『スーパーカー王冠』の収集も流行った。当時、ビンで流通していたコカ・コーラのフタとなる王冠の裏にスーパーカーが印刷されていたのだ。これも子供たちの収集競争になったものであった。

 それ以外にもスーパーカー関連のグッズは数多く登場した。スーパーカー下敷き、スーパーカー筆箱、スーパーカーメンコなど。また、当時の子供に人気であったプラモデルにも、当然、スーパーカーが登場していた。そのころのプラモデルは、子供の小遣いでも買えるような身近な存在であったのだ。

※ ※ ※

 いま思えば、スーパーカーブームの1970年代中盤から後半は、オイルショックの影響でモータースポーツもスポーツカーも下火になっていた時代だ。

 そうしたなか、オイルショックの暗い影を吹き飛ばすかのように、夢のようなスーパーカーが熱いバトルを繰り広げたのが「サーキットの狼」であった。子供心にも痛快さが伝わったし、当時の大人もそうしたムーブメントを後押ししたのだろう。

 それが、1970年代後半にわずか3年だけパッと花咲いたスーパーカーブームだったのだ。

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Writer: 鈴木ケンイチ

1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。

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