ミウラやカウンタック、ランボルギーニの歴史を知る博物館オールガイド
スーパーカーの代名詞であるランボルギーニの創始者フェルッチオ・ランボルギーニ。現在、ランボルギーニ家はアウトモビリ・ランボルギーニの経営には関与していないが、ランボルギーニ家のプライベート博物館は、本家ミュージアムでは見ることができない、ランボルギーニ創設期の重要な展示物が満載だ。
スーパーカーからヘリコプター、パワーボートにトラクターまで。ランボルギーニをフェルッチオという創設者から知る博物館
ランボルギーニには、ぜひとも見ておきたいミュージアムがふたつある。ひとつは、サンタアガタ・ボロネーゼにあるランボルギーニ本社にある「ムゼオ・ランボルギーニ」。もうひとつがフノという小さな町にある「ムゼオ・フェルッチオ・ランボルギーニ」だ。
ムゼオ・ランボルギーニは、いわずとしれアウトモビリ・ランボルギーニのオフィシャルミュージアムである。一方のムゼオ・フェルッチオ・ランボルギーニは、私設ミュージアムである。
もともとフェルッチオがこの世を去った後、息子トニーノが設立したランボルギーニ家の私設ミュージアムである。2015年にランボルギーニの空調施設工場であった現在の建物に移転した。
本社のミュージアムは、定期的に企画展を開催していて、それはそれで見ごたえがあるのだが、ランボルギーニの車両だけが展示されている。しかし、ムゼオ・フェルッチオ・ランボルギーニは、フェルッチオの歴史を知る博物館なのである。そのため、スーパーカーだけでなく彼が携わった事業全般に関する展示物が並んでいるのが特徴だ。
見どころはなんといっても、ランボルギーニのコレクターから最近注目が集まっているトラクターが、一堂に会している点だ。収蔵されている車両は、フェルッチオがプライベートで所有していたクルマがメインとなっている。
フェルッチオが戦後最初に手掛けたのは、米軍から払い下げてもらった軍用車のコンポーネントを利用し、英国モーリスのエンジンを組み合わせて製作した「カリオカ」だ。このミュージアムでは、貴重なカリオカが2台展示されている。
また、フェルッチオはヘリコプターの開発にも一時期携わっていたこともあり、ランボルギーニ製の試作ヘリコプターも展示されている。さらにランボルギーニ製エンジンを搭載したパワーボートと、スーパーカー以外の乗り物も展示されている点がユニークだ。
フェルッチオが興した事業ではないが、フェルッチの長男、トニーノ・ランボルギーニが生産していたマイクロカー「タウンライフ」の各モデルが展示されているのもおもしろい。
1999年ジュネーヴ・モーターショーでデビューしたタウンライフは、500ccの単気筒エンジンを搭載したシティカーだ。トニーノは2001年に経営から離れているが、その後EV仕様のタウンライフも作られており、いま振り返ると、少々時代を先取りしすぎていたのかもしれない。
フェルッチオは晩年、農場経営とワイン生産に力を注いでいるが、その際にフェルッチオが愛用していたレンジローバーも展示されている。
このほか、「ウラッコ」や「エスパーダ」などのプロトタイプなども必見だ。本社ミュージアムよりも延床面積も広いので、ゆっくりと時間が過ぎるのを忘れて、フェルッチオが抱いていた大きな夢を追体験することができる。
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