目の付け所はナイス! だけど消えちゃった車5選
新型車には何らかの新しいアイデアが盛り込まれるケースが多いのですが、斬新すぎたのか、人々に理解されずに消えてしまったクルマがあります。そんなナイスアイデアなクルマを5車種ピックアップして紹介します。
ナイスアイデア! だけど長続きしなかった!?
自動車メーカー各社から発売されたクルマのなかには、斬新なアイデアが盛り込まれるケースが数多くあります。
しかし、そのようなアイデアはさまざまな理由で淘汰されることもあり、なかには年月を経て、他社で復活したアイデアも存在。
そこで、目の付け所は良かったものの、長続きしなかったアイデアが盛り込まれたクルマを、5車種ピックアップして紹介します。
●スズキ「アルト スライドスリムドア」
1979年に登場したスズキ初代「アルト」は、47万円という衝撃的な低価格で発売されて大ヒットしました。
そして、1988年に発売された3代目は、3ドアハッチバックで、かつトールワゴンでもない普通の2BOX車ながら、運転席と助手席の両側スライドドアを採用した「アルト スライドスリムドア」をラインナップ。
後にプジョー「1007」が両側、トヨタ「ポルテ」が助手席側スライドドアを採用した、はるか昔のことです。
アルト スライドスリムドアにはスライドドアのほかにも、シートをドア側に回転させて乗り降りをしやすくする「回転ドライバーズシート」も採用されていました。
しかし当時は、狭いところでも乗り降りがしやすく、横に駐車したクルマにドアを当ててしまう心配がないというスライドドアのメリットは理解されず、手動での開閉だったため、女性や年配の人による坂道での開閉が大変という声もあったようです。
そのため、軽自動車の価格が40万円代から設定されていた時代に、標準車から約3万円高いスライドスリムドアが人気となることはありませんでした。
その後、スライドドアは運転席のみとなり、さらに運転席はスライドドアで助手席側は前後とも通常ドアというモデルも登場しましたが、4代目アルトからは採用されていません。
●ホンダ「エディックス」
2004年に発売されたホンダ「エディックス」は、6人乗りながら2列シートのミニバンです。7代目「シビック」のシャシをベースに開発され、3席2列の全座席が独立したシートが最大の特徴でした。
前席中央や後席中央シートは大きく前後にスライド可能で、左右の席の人と中央の人の体が干渉するのを防ぎ、前列3人乗車時にも後方視界が確保しやすいように、ルームミラーの位置を運転席側にオフセットしてマウントするなどの工夫が盛り込まれていました。
外観もユニークで、なるべく室内のスペースを稼ぐために左右のパネルがほぼ垂直に立っており、前後方向から見ると真四角で、横から見るとスタイリッシュなトールワゴンというイメージです。
では人気が得られたというと、やはり「ステップワゴン」のような普通のミニバンの使い勝手の良さには敵わず、2009年に一代限りで販売を終了。コンパクトミニバンの「フリード」に統合されました。
●ダイハツ「ハイゼットカーゴ ハイブリッド」
ダイハツは軽商用車では初となるハイブリッド車、「ハイゼットカーゴハイブリッド」を2005年に発売しました。
ハイゼットカーゴ ハイブリッドは、軽商用車「ハイゼット カーゴ」をベースに、1モーターを用いたコンパクトなサイズの「ダイハツハイゼット ハイブリッドシステム」を搭載し、高い走行性能と優れた環境性能を両立しています。
モーターの出力は12.8馬力で、発進や加速時にエンジンパワーをアシストするマイルドハイブリッドは、減速時や降坂時のエネルギーをモーターで電力として回収も可能でした。
バッテリーはニッケル水素が採用され、リアシート下に格納することで、荷室容量への影響は最小限に留められています。
価格は215万5500円(消費税5%込)と、ベース車に対して100万円以上高価だったため、顧客は、主に官公庁や地球環境に関心の高い企業がターゲットでした。
そして、肝心の燃費は10・15モードで20.0km/Lと、当時のガソリンモデルが15km/Lほどだったため約3割向上していたことになります。
本来、燃費の良さは歓迎されるはずでしたが、100万円の価格差をガソリン代で相殺するのは、非現実的だったようで、結局、ハイゼットカーゴハイブリッドの販売は低迷し、2010年に生産を終了。その後、軽商用車にハイブリッドモデルは登場していません。
GDIについては、技術的な問題もありましたが、それ以前に排ガス規制の問題がありました。勝手に情報操作しないで正確な情報を書けよ、三流ライター。