泣き寝入り防止! ドラレコ販売増のワケ CASEへの活用も期待
ドラレコ特約の自動車保険が急増中のワケ
事故やトラブルの状況を記録できるドライブレコーダーは、自動車保険の世界にも革命をもたらしています。
ドラレコ特約として各保険会社からあいついで提供されているサービスは、保険会社から専用のドラレコを貸与して、もしも事故で強い衝撃を受けた場合はドラレコから保険会社に自動で事故を通報。
軽微な事故の場合はボタンを押せば手動で通報することが可能で、録画されている映像をもとにして事故の対応や、その後の示談交渉をおこなうというカタチです。
損保ジャパン日本興亜では、2017年4月から先着5000台限定で「DRIVING! ~クルマのある暮らし~」を提供開始し、2018年1月からはこれを特約として本格展開しています。
同じく東京海上日動も2017年4月から「DAP(ドライブエージェントパーソナル)」としてドラレコ特約をスタートしていて、2019年12月の時点で約36万5000件の契約実績があるようです。
三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は、2019年1月からドラレコ特約「見守るクルマの保険(ドラレコ型)」(三井住友)と「タフ・見守るクルマの保険(ドラレコ型)」(あいおい)の販売を開始し、発売から4か月で契約件数が10万件を突破したと発表しています。
さらに前出の東京海上日動は2020年3月17日、データ解析のスペシャリスト、ALBERT(アルベルト)社とともに、自動車事故の責任割合をAI(人工知能)が自動判定する新機能「事故状況再現システム」を導入すると発表。上記の「DAP(ドライブエージェントパーソナル)」の契約者向けにサービスが導入されます。
事故が起こった際、ドラレコから本部のオペレーターに通報するのと同時に、録画された事故映像も送信され、端末の加速度センサーやGPSのデータとともにAIが解析することで、システム上に事故の状況を自動的に再現。
ユーザーが状況祖説明する負担を減らすとともに、これまで事故状況の確認に1週間程度かかっていたのが、データ受信後5分程度でAIが事故状況や責任割合を算出できるので、解決までの時間を大幅に短縮できるということです。
ドラレコとAI技術が組み合わされることで、自動車保険がこれまで抱えていた煩雑さやトラブルを大幅に解消できることとなりそうですが、次世代の交通システム全体にも応用されていくことが予測されます。
最近のクルマ産業では「CASE」(コネクティビティ、自動運転、シェアリング、電動化)というキーワードが注目を浴びています。
とくに自動運転については、クルマ単体での制御技術が重要なのはもちろんですが、渋滞の防止や衝突の防止など、クルマ同士がネットワークでつながることが、将来的に必要となってきます。
自動運転のクルマはもちろんですが、さらに未来、より安全で便利な交通システムを作ろうとする場合、公道を走るすべてのクルマがネットワークにつながることが求められる可能性は高いでしょう。
現在も自動車メーカー各社で先進のコネクティビティ機能を提供する流れが加速しています。この先、次世代の車載ネットワークでは、交通社会のインフラとして共通規格が定められていくことになることが予想されます。
その際、最新のクルマではもちろんそれに準じた端末が装置が搭載されるはずですが、道を走るクルマのすべてか、せめてほとんどのクルマに搭載されないと、効果が薄くなってしまいます。
そこでネットワーク接続可能なドライブレコーダーなら、既存のクルマに簡単に後づけできる端末として、次世代の交通ネットワークの普及に大いに役立つはずです。
その頃にはドラレコが、ETCやGPSの機能も兼ね備えた総合的な端末になっていると想像できます。まずは1台1台の安全からドラレコが普及していくことに期待したいです。
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