絶滅寸前のMT車が増加!? 設定拡大するトヨタやマツダと減らすスバルの違いはどこに?
いまや新車販売の2%弱といわれるMT車ですが、マツダとトヨタはラインナップを増やしています。一方で、車種を減らしているのはスバルです。MT車を増やすトヨタ・マツダと、減らすスバルとの違いは、どこにあるのでしょうか。
MT車が意外と人気!? マツダとトヨタが設定拡大する理由は?
いま、日本では新車のトランスミッションはAT(オートマチック・トランスミッション)が主流です。しかし30年ほど前までは、トランスミッションはMT(マニュアル・トランスミッション)が主流でした。
ATの高性能化や市街地での燃費に優れるCVTの登場などもあり、運転操作が複雑なMTはどんどん少数派になったのです。そのため昨今では、日本の乗用車販売におけるMT比率は2%弱だといいます。
そのような背景もあってMTが選べる車種は減り続けていますが、なかにはMTを選択できる車種を多く用意しているメーカーもあります。それはマツダです。
マツダは「CX-8」以外のすべての自社生産車種にMTを展開し、「マツダ2」「マツダ3」「マツダ6」「CX-3」「CX-30」「CX-5」そして「ロードスター」をラインナップ。国内ではスズキに次いで、MT設定モデルを多く用意しています。
また、トヨタもMTをいくつかの車種に展開し、コンパクトカーの「ヤリス」やスポーツカーの「86」をはじめ、セダンやワゴンの「カローラ」にまで用意しています。また「C-HR」は昨年秋のマイナーチェンジで、従来は用意のなかったMTモデルを追加するなど、むしろMT展開を拡大している雰囲気すら感じます。
いっぽうで、MTの展開が減っている(もともと少ないのではなく明らかに減少傾向にある)メーカーの代表はスバルでしょう。同社は数年前まで、MTを幅広く展開していました。しかし2020年3月末現在でMTが選べるのはスポーツカーの「BRZ」のみ。
MTを残しているメーカーとMTを減らしているメーカーの違いは、どこにあるのでしょうか。
まずは、マツダとトヨタの新車販売におけるMT構成比を車種別に確認しましょう。マツダは、2019年12月から2020年2月にかけての3か月の統計を見ると、マツダ2が5%、マツダ3が8%、マツダ6が9%、、CX-3が5%、CX-30が3%、CX-5が3%、ロードスターが69%となり、マツダの全車種におけるMT比率は約6%だといいます。
スポーツカーのロードスターを購入する人の約7割がMTを選ぶのは納得ですが、マツダ6購入者の約1割がMTを選ぶというのは意外です。
日本においてラージサイズのステーションワゴンでは、マツダ6のほかにMTを選べる車種がないことも影響していると考えられます。
マツダ広報部は、「運転の楽しさを期待してマツダ車を購入いただく人が多く、スポーツカー以外のモデルでもMT車を楽しみたいという声も頂戴します。それに応えるべく、2012年から始まった新世代商品群では、CX-8を除く全てのモデルでMT車を設定しております」と説明します。
トヨタはどうでしょう。MTを設定する代表車種の販売比率は、86が63%、GRコペンが32%、カローラスポーツ(ガソリン車)が22%、C-HR(ガソリン車)が3%となります。
C-HRが少ないのは、当初はCVTのみでMTは途中から追加されたという事情があると考えていいでしょう。一方で、カローラスポーツのガソリン車では、2割以上もの購入者がMTを選んでいることに驚きを感じる人も多いのではないでしょうか。
当初はMTの設定がなく、途中から追加されたC-HRに関して、トヨタ広報部は、「マニュアル車を望んでいるお客さまの声があり、このクルマの特徴を踏まえ、より多くの人にクルマを楽しむことを提供したいと考えて設定しました」と市場からのニーズを反映しての設定であることを強調します。
また、1.2リッターターボエンジンをMT専用としたカローラセダンやツーリング(ワゴン)に関しては、「お客様からの要望にお応えしたいということと、マニュアルならではの走りの楽しさ、操る楽しさを味わっていただきたい」とコメント。“ぜひ味わってほしい”というメーカー側の願いも込められているようです。
1枚目の画像はロードスターRFのマニュアル車の画像ではなく、現行CX-5のマニュアル車の画像です。修正をお願いします。
すでにYahoo!ニュースにも掲載されていますが、「くるまのニュース」さんはこういった誤記や誤字が多すぎます。
キチンと校正を行ってから投稿する様にしていただきたいです。
このたびはご指摘いただき、誠にありがとうございます。
一部修正いたしました。