「突然火の手が…」 事故以外でクルマが炎上する原因とは
クルマが炎上する原因とは、いったいどんな要因があるのでしょうか。
なぜクルマが炎上してしまうのか? 爆発はありえる?
度々、クルマが炎上している様子がニュースで伝えられることがあります。事故が原因となって火災が発生することもあるようですが、走行中のクルマから火が出ることもあるようです。クルマが炎上する原因とは、どんなものがあるのでしょうか。
2020年3月、関越道で車両火災が発生し、その様子がSNSなどで広く拡散されました。ドライバーは避難しており怪我もなく無事でしたが、事故の形跡はなくクルマ自体のトラブルが原因のようです。
映像ではエンジンルーム付近が激しく炎上しており、路面にはガソリンと思われる液体が漏れ出しています。クルマは輸入車のようですが、トラブルの報告やリコールが届け出ていなければ、事前に防ぐことは難しいでしょう。
なお、消防庁が発表する「2018年版の消防白書」によると、2017年の車両火災は年間3863件となっており、単純計算で1日に10件以上が発生していることになります。
原因はさまざまありますが、もっとも多いとされるのは交通事故によるものです。とくに、クルマのエンジンルームに大きな衝撃が加わる、正面衝突時は多く発生しているようです。
エンジンルームは、燃料タンクからパイプによって燃料が供給されているため、事故の衝撃によって破損し漏れ出すことも珍しくありません。そこに、事故の衝撃による火花や、バッテリーや配線ショートによる着火源によって火が付き、火災に繋がることが多いといわれています。
また、輸入車にも多く見られ、リコール対象にまで発展していることもあるようです。直近では2019年にBMW「320i」が、駐車中に火災が発生したという報告後、リコールを届け出ています。
ほかにも、配線トラブルといった原因も報告されています。2018年にはトヨタ「プリウス」が、配線の一部が振動でボディーに擦れることで断線やショートするといったトラブルの報告を受け、リコールを届け出ました。
それ以外では、オイル漏れによる配線の劣化や、ユーザー自身がカスタムする際に配線を誤って加工したことで、車両火災を引き起こしたというケースもあるようです。
このように火災の原因は車両側の要素が大きいですが、ユーザーの心がけで対策できるのでしょうか。
カー用品店の整備スタッフは以下のように話します。
「交通事故などの外的な要因による火災でなければ、ドライバーが防ぐことは難しいと思います。
しかし、定期的なメンテナンスは重要です。以前、10万キロ以上走っているクルマを整備した際、わずかに出火した跡があったためすぐに交換したという例がありました。
車検時は問題なかったものの、その後に発生した不具合だったようです。年式が古く走行距離が多いクルマは、車検以外にも定期的なメンテナンスを心がけるのが大切です」
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なお、映画やドラマのワンシーンでクルマが爆発する映像を見かけることがありますが、実際は燃料に引火してもいきなり爆発することはなく、煙と大きな炎が立ち上がり続けることになります。
誰かが爆弾を仕掛けたといったような意図的な引き金がない限り、クルマの爆発は考えにくいといわれています。
しかし、クルマが爆発した例が過去になかったわけではありません。
夏の暑い日、エアコンを利かせて車内を閉め切った状態で冷感スプレーを連続で使用したドライバーが、その直後にタバコを吸おうとライターで火を着けた瞬間に爆発を起こした事故がありました。
また、スプレー缶によるゴミ収集車の火災も多く報告されています。2019年11月にも、福岡県で不燃物を回収中のごみ収集車が発火する事故がありましたが、ガスコンロのスプレーが適切に処理されていないことが原因とされているようです。
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