右直事故の抑止に効果あり!? トヨタ新型「ヤリス」に搭載された凄い機能とは

トヨタ初の安全機能とはどんなもの?

 今回、ヤリスに採用されたプリクラッシュ・セーフティシステムは、交差点右折時に直進してくる対向車および右左折時に対向方向から横断してくる歩行者をミリ波レーダーと単眼カメラで検出。ブザーと表示で衝突の可能性を知らせ、その後プリクラッシュブレーキを作動。衝突回避または被害軽減をサポートする機能です。

交差点右左折時の対向直進車・右左折時の対角方向からくる横断車を検知
交差点右左折時の対向直進車・右左折時の対角方向からくる横断車を検知

 これは、交差点を右折する場面で自車の進路を予測して、それと対向車の動線が交錯し、システムが危険と判断するとその度合いに応じて、警告音を発し、ドライバーが反応しない場合には衝突被害軽減ブレーキを作動させます。

 また、右左折時に対面する横断歩道など通過する歩行者を察知して、前記と同じ回避行動を取ります。対象の認識機能とトラッキング精度を高め、自車と相手の行動予測精度を高めたことで実現しました。

 右直事故防止ブレーキについて、トヨタの販売店スタッフは以下のように話します。

「クルマの安全装備は、あらゆる事故を防止するために開発されたものがほとんどですが、この装備は特定の事故防止に特化しています。つまり、それだけ多発している事故ということです。

 右直事故に対して完全に『安心』できる装備ではなく、あくまで万が一の見落としを助けてくれる『補助』的な装備と考え、安全運転の心がけは忘れないでください」

※ ※ ※

 1980年代から、各メーカーはクルマの安全性能向上の取り組みを強化してきました。エアバックや衝突被害軽減ブレーキシステムといった分かりやすい安全機能のほかにも、事故を起こした場合にボディが潰れることで衝撃を吸収し、乗っている人間への衝撃を和らげる車体構造など、昔と同じ状況で事故を起こしたとしても運転者や同乗者への衝撃を低減させる取り組みが奏功したといえます。

 加えて、国土交通省と自動車事故対策機構は、安全なクルマが製造され、選ばれることを目的に、「自動車アセスメント(JNCAP=Japan New Car Assessment Program)」を1995年から実施。

 クルマの安全性について、さまざまな試験をおこない、その結果を公表することで、クルマ選びの判断材料とすることが狙いで、試験項目は年を追うごとに追加・強化されています。

 しかし、安全機能は進化・向上したとはいえ、まだまだ万能ではないので、過信しないように気をつけましょう。

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