どう進化? ホンダ新型「フィット」 刷新ではなく熟成した見所とは

新型フィットは「刷新」ではなく「熟成」

 新型フィットは、全高の高い5ナンバーのコンパクトハッチとして、非常に優秀な高速走行の直進性の高さも実現。つまり、「見せかけのスポーティ」から「本質のスポーティ」になったといえます。

 そのうえで快適性も大きく改善されていて、歴代モデルの弱点だった。ヒョコヒョコと揺すられ感は影を潜め、凹凸の吸収の仕方やアタリの優しさなど快適性は現行モデルから大きくレベルアップしており、シビックにも匹敵するレベルに来ています。

 ちなみにパワートレインによって若干性格が異なり、ガソリン車は鼻先の軽さを活かして小気味よさとキビキビ感、ハイブリッド車は逆に重さを活かした穏やか、かつシットリした乗り味になっています。

 さらに、車高が30mm高い「クロスター」グレードはエアボリュームの高いタイヤとの組み合わせにより、ほかのグレードよりもアタリの優しい快適性と無駄な動きを活かしたハンドリングに仕立てられています。

先代モデルから熟成された新型「フィット」には異なる5つのスタイルが用意されている(ネスグレード)
先代モデルから熟成された新型「フィット」には異なる5つのスタイルが用意されている(ネスグレード)

 いまやデフォルトアイテムの安全支援システムは新たに「フロントワイドビューカメラ&ソナーセンサー」を採用した“新”ホンダセンシングを採用。

「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」と「LKAS(車線維持支援システム)」の制御も高められていますが、基本性能の向上も相まって、積極的に使いたくなる機能になっています。

 総じていうと、新型フィットは「刷新」ではなく「熟成」の道を選んだことが功を奏したと思っています。これまで気付かなかった、もしくは気付いても手が入れられなかった細かい部分まで徹底追求できたことが、結果として全方位で“質”の高いクルマに仕上がった要因だと考えています。そういう意味では、フォルクスワーゲンの「ゴルフV⇒ゴルフVI」の進化に良く似ているかもしれません。

 欲をいえば、ここまで走りがレベルアップしたなら、よりスポーツ性を高めたグレードが欲しいのも本音です。

 個人的には「高出力エンジン+MT」のような古典的なスポーツではなく、e-HEVをよりパフォーマンスに使える制御に仕立てたパワートレインに、ガソリン車のような小気味良いキビキビしたハンドリングを備えたスポーティグレードの「新RS」があったら、ユーザーの幅もより広がり、面白くなると思います。

【画像】どこが変わった?新型「フィット」の内外装をチェック(46枚)

参加無料!Amazonギフト券贈呈 自動車DXサミット BYD登壇 最新事例を紹介(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

1 2

実績500万人超!お得に車売却(外部リンク)

新車不足で人気沸騰!欲しい車を中古車で探す

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー