存続か!? 廃止か!? 先行きが不透明なロングセラー車3選

近年、クルマのモデルチェンジサイクルは長くなる傾向にあります。昔は4年が定番でしたが、いまでは6年から8年でフルモデルチェンジがおこなわれることも珍しくありません。そこで、発売から長い年月が経ってもモデルチェンジの気配がないクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

ロングセラーなモデルに未来はあるのか!?

 クルマに限ったことではありませんが、工業製品は長い期間にわたって販売が継続されると、商品の魅力が薄れていってしまうことが一般的です。

この先どうなる!? ロングセラーゆえの悩み
この先どうなる!? ロングセラーゆえの悩み

 なかには例外もありますが、クルマの場合は一定期間でフルモデルチェンジをおこなって、すべてを一新するか消滅するかの判断が迫られます。

 そこで、ロングセラーといわれるモデルのなかから、先行きが不透明なモデルを3車種ピックアップして紹介します。 

●トヨタ「ランドクルーザー」

性能的には未だトップクラスに君臨する「ランドクルーザー」
性能的には未だトップクラスに君臨する「ランドクルーザー」

「キング・オブ・オフロード」の称号にふさわしい悪路走行性能と、長い歴史を誇るのがトヨタ「ランドクルーザー」です。

 砂漠や草原、岩地や湿地など、道なき道を走るために選ばれ、いまでは世界150か国で活躍し、高い人気を維持しています。

 現行モデルのランドクルーザー 200系は2007年9月に発売され、幾度かのマイナーチェンジを経て現在に至ります。

 国内仕様に搭載されるパワーユニットは4.6リッターV型8気筒ガソリンエンジンを搭載し、最高出力は318馬力を発揮。組み合わされるトランスミッションは6速ATのみです。

 走る場所によって5つの走行モードが選択可能で、あらゆる路面状況に適した4輪制御をおこなうなど、高度な電子制御により高いオフロード性能を実現してします。

 また、ランドクルーザーの特筆すべき点として、砂地などで車輪が埋まってしまっても、アクセルとブレーキを自動でコントロールして脱出が図れるという走行モード「クロールコントロール」が搭載されています。

 これは、砂漠でタイヤが埋まって走行不能になった場合は、命の危機と直結してしまうので、とくに中東でランドクルーザーの人気が高い理由のひとつとなっています。

 なお、2015年のマイナーチェンジで先進安全装備の充実が図られていますが、性能的にはすでにひと世代前のものです。トヨタ製SUVのフラッグシップとしてさらなる安全性能の向上が待たれますが、発売から12年以上経過していることもあり、そろそろ次期型の登場に期待が高まります。

●トヨタ「プリウスα」

高い環境性能を誇るワゴンながら存続が危ぶまれる「プリウスα」
高い環境性能を誇るワゴンながら存続が危ぶまれる「プリウスα」

 2011年に登場したトヨタ「プリウスα」は、3代目「プリウス」をベースにした5ドアステーションワゴンで、2列シート5人乗りと3列シート7人乗りをラインナップしています。

 外観は3代目プリウスのイメージを残しつつ、日本人の平均的な体格の大人がゆったりと座れる居住空間に、最大1070リッターの荷室容量を確保したうえで、空力性能など相反する課題をクリアして設計されたといいます。

 単にボディを伸ばしただけという安直な作りではなく、リチウム電池(3列シート車)をプリウスに先駆けて搭載するなど、技術的にも意欲作でした。

 しかし、ベースとなった3代目プリウスが2015年に4代目にモデルチェンジされてシャシを一新しており、乗り心地や走行性能に関して高く評価されていることから、プリウスαのシャシの古さは否めません。

 なお、2014年のマイナーチェンジでフロントフェイスが大きく変わり、2017年の改良では先進安全装備の充実が図られています。

 現在は2列シート、3列シートのハイブリッドミニバンとして「シエンタ」が好調なセールスを維持しているため、プリウスαの存在意義が問われるのも時間の問題ではないでしょうか。

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