トヨタ「ランクル」の消防車が存在!? 往年のトヨタ車が海外にある理由
左ハンドルの「センチュリー」や「クラウン」も展示!
カローラやセリカに関しては歴代モデルがほぼ揃っています。ちなみに2019年のル・マン24時間で優勝トロフィ返還の際に使用された赤のセリカ・コンバーチブル(ST162)は、ここトヨタコレクションの収蔵モデルでした。
また、日本でも見かける機会がほとんどなくなった「ターセル」や「スプリンター・カリブ」、「タウンエース」、さらに左ハンドル仕様の「クラウン」や「センチュリー」といった超レアモデルも収蔵されています。
もちろん、2019年ドイツでゴールデンステアリング賞を獲得した現行「スープラ」も揃っています。
筆者は「コレクションの内容が凄い!!」というウワサは聞いていましたが、ハッキリいって予想以上でした。
ちなみに数多くのコレクションのなかで、故Peter氏のお気に入りはクラウンだったといいますが、日本から遠く離れたドイツで数多くのトヨタ車が大事に保存されているのを見ると、何だか日本人冥利に尽きます。どのモデルも内外装は新車に近いコンディションを維持しているうえに、実際に走行も可能です。
「これだけの台数を動態保存させるための維持は大変ではないですか」と聞くと、Thomas氏は「まったく問題ないです。なぜならトヨタ車ですから」と余裕の笑顔。トヨタの耐久性/信頼性の高さはこのような所でも証明されているのです。
もちろん、このトヨタコレクションは一般見学が可能で料金は無料です。ただし、一般公開日の日にちは決まっていて、毎月第1週目の土曜日の10時から14時(毎回展示のテーマは変わるという)となっています。
近所には、トヨタの欧州モータースポーツ拠点「TMG(トヨタモータースポーツ有限会社)」もあります。
こちらにも歴代のレーシングカーを収蔵するミュージアムがありますが、残念ながら非公開。ただし、その一部はトヨタコレクションにも展示されています。
日本から行くのはなかなか遠い場所ではあるものの、筆者は無理しても行く価値のある博物館のひとつで、ズバリ「欧州トヨタ聖地」といえる場所だと思っています。もし、ドイツに旅行に行く機会があったら、スケジュールを合わせてトライしてみて欲しいです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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