ホンダ流! 製品開発の流れが体験できる「子どもアイデアコンテスト」開催。最優秀賞は「エネルギーはトイレから」

ホンダが2002年以来主催している「子どもアイデアコンテスト」の最終審査会が、2020年1月11日に東京都、港区にあるホンダウェルカムプラザ青山で開催されました。

「未来“あったらいいな”と思うモノ」がテーマ

 2020年1月11日、2002年に開催して以来ホンダが社会貢献の一環として毎年続けている「子どもアイデアコンテスト」の最終審査会が、東京都、港区にあるホンダウェルカムプラザ青山でおこなわれました。

 今回で17回目となる子どもアイデアコンテストは、小学生を対象に“子どもならでは発想から生まれるアイデアをカタチにすることで「夢を持つこと」、「挑戦すること」、「想像することの」の大切さ、楽しさに気づいてもらうこと”を目的におこなわれています。

 参加した子どもたちは、「未来“あったらいいな”と思うモノ」というテーマに沿ったアイデアを考えて、発表をおこないました。

子どもが考える「高齢者の事故防止アイデア」
子どもが考える「高齢者の事故防止アイデア」

 最終審査会には、過去最高となる8155作品の応募のなかから、書類選考、一次審査会(64作品)を経て選ばれた小学校低学年の部(1年生から3年生)/14組15名、高学年の部(4年生から6年生)/14組14名が参加。

 作品は「あったらいいな」と思うアイデアを考え、そのアイデアをイラストし、そしてアイデアを表現する立体作品を作り、最終審査会でプレゼンテーションするという手順で発表されました。

 この流れは、ホンダがクルマやバイクを開発する際の、コンセプト(構想)を練り、図面を書いて現物を作り、最後にプレゼンテーションをするという手順と同様です。

 一次審査会では「創造したアイデアが人々に新しい喜び、ワクワクドキドキを与えられるものか」という部分に着目し、審査がおこなわれました。

 そして最終審査会では、「アイデアが形になっているか」が大きな評価項目となります。

 なお最終審査会の審査員は、脳科学者の茂木健一郎氏(兼審査員長)、カーライフジャーナリストのまるも亜希子氏、日本科学未来館コミュニケーターの八田愛理奈氏、そして本田技研工業執行役員の鈴木麻子氏、本田技術研究所執行役員の松橋剛氏が務めました。

 最終審査会で子供たちがプレゼンテーションした作品を、いくつか挙げると

●低学年の部

・食料不足を解決する「バルーンの畑」

・物流が円滑かつ楽になるように物体の大きさを小さくする「はこびたい物すぐはこボール」

・通学などの歩行を楽しいものとし、転倒した時の安全性も高い「トランポリンみたいにはずむほどう」

●高学年の部

・手話の手助けをする「手話ほんやく機」

・お菓子を食べながら虫歯を防止できる「グミガキット」

・身に着けることで人の力が増し、社会を豊かなものにする「だれでもお助けマンスーツ」

 など、ネーミングも楽しげで、「あったらいいな」と共感できるアイデアと作品が次々に発表されました。

 また、作品のなかにはAIを使用し、あおり運転をしないようにドライバーの気持ちを落ち着かせるアイデアや、AIからの問いかけとアドバイスにより体調を把握することで高齢者の事故を防ぐというアイデアもありました。

 筆者(永田恵一)は、「自動車に対する関心も高いのだな」と感心する反面、「子どもがあおり運転防止を考える世の中というのは大きな問題ではないか」と複雑な気持ちがこみ上げます。

 さらにプレゼンテーション後には、ホンダという会社を紹介する「ホンダものしりワクワククイズ」がおこなわれました。

 出題は次のとおりです。

・2017年までに生産されたスーパーカブ(オートバイ)の累計台数は?/正解は約1億台

・ホンダジェットが飛ぶ高度は?/正解はジャンボジェットより高い1万3000メートル

・ホンダのラグビー実業団のチーム名は?/正解はホンダヒート

・全国にあるホンダの事業所の社員食堂で金曜日にだけ提供され、行列ができるメニューは?/正解はカレーうどん

 というもので、子どもたちだけなく大人でも興味深い内容で、参加者は興味津々。

 クイズのあとは審査結果の発表で、各賞典は参加した子どもたちが選ぶキッズ大賞2組(低学年、高学年それぞれ1組)、ゲスト審査員が選ぶ審査員特別賞3組、優秀賞4組(低学年、高学年それぞれ2組)、最優秀賞2組(低学年、高学年それぞれ1組)となります。

 そして最優秀賞に輝いた作品は、

・低学年の部
 
 料理の栄養分をコントロールできる装置を作り、病気の時なども食べたいものを食べられるという夢を実現する「りょうりのせいぶん へんかんマシーン」(静岡県の佐藤迪洋さんと佐藤知海さんの兄弟)

・高学年の部

 地球温暖化防止のために、ウ○チなどからも電気に代表されるエネルギーを作り出して利用する「エネルギーはトイレから」(青森県の三浦士さん)

 が受賞しました。

 どちらの作品も、「こんなことができたらいいなあ」と強く感じる作品で、とくに佐藤士さんはネーミングやプレゼンテーションの際に着ていたツナギに、ホンダの企業キャッチコピーである“HONDA The Power of Dreams”を文字った“MIURA The Power of TOILET”というワッペンを貼るなど、出で立ちから秀逸でした。

 優秀賞と最優秀賞を受賞した6組の参加者は、タイでもおこなわれている同コンテストの優秀賞、最優秀賞を受賞した参加者と一緒に、3月に栃木県のツインリクもてぎでおこなわれる国際交流会に招待されます。

 子どもアイデアコンテストは、いろいろな意味で子どもたちの力を高める貴重な機会でもあるので、参加してみてはいかがでしょうか。

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