豊田章男会長も実は自信がなかった!? 東京モーターショー100万人突破が実現した理由
どうしてデイリー入場者数は未公開だったのか?
今回の入場者総数が発表されたのは、ショー閉幕の翌日となる2019年11月5日でした。
これは理解できるのですが、前回(2017年ショー)までは報道陣向け公開日から一般向け最終日まで、前日の入場者数を毎日公開していました。
ところが、今回はそうした対応をしていません。それはなぜなのでしょうか。
これについて、筆者(桃田健史)はショー閉幕の翌日の自工会発表を受けて、自工会にメールで各種の問い合わせたところ、翌週12日になって自工会の広報部から以下のような回答をメールで受理しました。
――日毎の入場者発表をおこなわなかったことについて
会場が分散開催となり、来場者の人数の集約を日毎におこなうのが困難だったためです。
――入場者数のカウント方法について
今回の東京モーターショーでは会場が分散開催となったことから、有料エリアに加え、無料エリアでのダブルカウントを極力排除した総来場者数として発表しました。
無料エリアはカウントが可能な「FUTURE EXPO」、「DRIVE PARK」の入場者が対象となっております。
――年齢別の抽出方法について
会場で実施しているアンケート調査を使用しております。
※ ※ ※
メール文に出てくる「分散開催」とは、前回までは東京ビッグサイトの東・西展示棟で開催されていましたが、今回は東京ビッグサイトの青梅・西・南展示棟とトヨタの商業施設メガウェブに会場が分散したことを示します。
東京ビッグサイトでもっとも大きな面積を持つ東棟は、2020年東京オリンピック・パラリンピックのメディアセンターなどで使用されるために改修工事が始まっており、東棟での展示分をほかの会場に振り分けざるを得ませんでした。
東京モーターショーの関係筋を通じて筆者がこの「分散開催」について知ったのは、前々回(2015年)の開催時でしたが、その時点ではお台場での2019年開催は事実上、不可能ではないかと個人的には感じていました。
それが、2015年第44回ショーの81万2000人、2017年第45回ショーの77万1200人と入場者が目減りし続けてきたなか、今回は一気に130万人に回復したことを素直に驚いています。
ただし、ショーの運営で見ると、ショーの主たる収入源である出展料が、輸入車メーカーの相次ぐ撤退によって減ったことは確実です。
また入場を一部無料にしたことで、入場料収入が前回と比べて増えたのか減ったのか、その点について自工会側は未公開としています。
次回2021年の第47回東京モーターショー2021について、豊田会長は次のように話しました。
「今回を遥かに上回る未来をお見せしたい。会場間と自動運転車で結ぶなど、会場全体を体感ブースにしたいと思っています」
自動車産業が大きな変革期を迎えているなか、東京モーターショーのさらに新しい形を追い求めて、自工会は思案していくことになります。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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