なぜディーゼルにこだわる? マツダが国内のディーゼル車販売でトップシェアになった理由
マツダのディーゼル搭載車が2012年の発売から50万台の販売を達成しました。これは国内のディーゼル搭載車販売の過半数となる数値です。なぜマツダはこれほどまで多くのディーゼル車を販売するに至ったのでしょうか。
国内でもっとも多くのディーゼル車を販売するマツダ
マツダは2019年11月27日に、マツダのクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」搭載車の国内販売が、2019年9月末で累計50万台に達したと発表しました。
SKYACTIV-Dは、従来のディーゼルエンジンより走行性能や燃費性能、環境性能を大きく進化させた新世代のエンジンとして、2012年2月に発売された「CX-5」を皮切りに、国内への導入を開始。コンスタントに販売を伸ばし、わずか8年ほどで50万台という数値を達成しました。
現在では、1.5リッター、1.8リッター、2.2リッターの3種の排気量をラインナップし、「ロードスター」と軽自動車を除くすべての乗用モデルに展開しています。
同時期に日本国内で販売された他ブランドのディーゼルエンジン搭載車を含む、ディーゼルエンジン搭載車が約96万台だというので、マツダの50万台というのは半分を超えています。国内で販売されるディーゼルエンジン車のなかでも、マツダが突出した人気を集めていることが分かります。
ちなみに、他銘柄のディーゼル車といえば、国内ブランドでは、トヨタ「ランドクルーザー」「ハイラックス」「ハイエース」「グランエース」、日産「キャラバン」、三菱「デリカD:5」「エクリプスクロス」といったところで、あまり数はありません。
一方、輸入車系は、メルセデス・ベンツを筆頭とする欧州ブランドのほとんどがディーゼルエンジンを用意していますが、国内での販売数でいえばマツダほどの規模はありません。
マツダがディーゼルエンジンに力を入れる理由のそのひとつが、ディーゼルエンジンそのものの魅力にあります。ディーゼルエンジンには「燃費性能に優れている」「低回転のトルクが強い」という美点があります。燃費規制への対応と走りの良さを追求する解決策のひとつが、ディーゼルエンジンなのです。
しかも、ディーゼルエンジンは、燃費性能が良いうえに、燃料となる軽油はガソリンよりも安価。もともと安い燃料を、低燃費で使うのですから、ランニングコストに優れています。そのためもあってか、ハイエースやキャランバンといった、走行距離の伸びる商用車にもディーゼルエンジンが好まれています。
また、低回転でのトルクが強いので、加速力の良さもディーゼルエンジンのメリットです。その上、高速道路を走るときにエンジン回転数を低く抑えることが可能で、それが「さらなる燃費の向上」「高速走行時のエンジン振動の低下=快適性の向上」を実現します。
そして、低回転でのトルクの強さは、大きく重いヘビー級のクルマにもぴったりな性格です。トヨタのランドクルーザーやハイラックス、三菱のデリカD:5などがディーゼルエンジンを採用するのも、そうしたエンジンキャラクターがクルマにマッチしているというのが理由になります。
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