いまならヒットする!? 出るのが早すぎた感があるホンダのSUV5選
SUV人気が続いており、ホンダでは「ヴェゼル」がコンスタントに売れています。しかし、過去に販売されていたホンダのSUVのなかには、人気が出ずに短命に終わったモデルもありました。そこで、ホンダのSUVのなかから、販売台数が低迷してしまったモデルを5車種ピックアップして紹介します。
かつては面白いSUVが存在していたホンダのラインナップ
現在、世界中で人気があるクルマといえばSUVです。近年では各社が次々と新型SUVを発売し、販売も好調。なかでもクロスオーバーSUVと呼ばれる舗装路を走ることを重視したSUVが、とくに人気です。
国産クロスオーバーSUVでの最初のヒット作はホンダ「CR-V」といわれていますが、ホンダは後に多くのSUVを発売し、消えていきました。
そこで、かつて販売されたホンダのSUVのなかから、販売台数が低迷してしまったモデルを5車種ピックアップして紹介します。
●エレメント
「エレメント」は北米市場で若い層をターゲットに開発された、室内スペースが広くてミニバン的な面も持ったクロスオーバーSUVです。
ホンダの現地法人がデザインし、オハイオ州の工場で生産されて、2002年に北米で発売。日本には4WDモデルのみが、2003年から2005年までのわずか2年間のみ輸入販売されていました。
当時の「CR-V」をベースに、ボディサイズは全長4300mm×全幅1815mm×全高1790mmとやや大柄。全長は10フィート(約3m)のサーフボードを積めることを条件に、決められたといいます。
外観のデザインが特徴的で、リアドアは観音開きとなっており、一見するとツートーンカラーのようなボディは、無塗装の樹脂素材を使用したバンパーとフェンダー、サイドシルによるもので、好みは分かれるところでした。
搭載されたエンジンは最高出力160馬力の2.4リッター直列4気筒エンジンで、特筆するほどのスペックではありませんが、車重1.5トンのSUVには十分なパワーです。
国内市場では、安っぽく見える配色と、後席への乗降に便利とはいい難い観音開きドアが受け入れられませんでしたが、アメリカでは評価が高く、フェイスリフトがおこなわれるなどして2010年まで販売が継続されました。
●Z
ホンダ「Z」といえば、「水中メガネ」の愛称で親しまれた初代を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。初代Zは360ccの軽自動車でクーペスタイルのスポーティなモデルとして、1970年から1974年まで販売されました。
そして、1998年に登場した2代目Zは初代Zとは違い、SUVタイプの軽自動車に生まれ変わります。パワートレインは「アクティバン4WD」や「ストリート4WD」と同様に、エンジンを縦置きのリアミッドシップにレイアウトし、普段はリア駆動でビスカスセンターデフを備えたスタンバイ式4WDです。
このZ独自のパワートレインは、後部座席の下に搭載されている4WDということで「UM-4」(Under floor Midship 4WD )と名付けられました。
ボディ形状はワゴンタイプで、15インチの大径タイヤと高めの車高により、小さなSUVというフォルムで、エンジンは660cc直列3気筒自然吸気と、同ターボの2種類を用意。
Zの価格(消費税5%込)は自然吸気車が120万5400円、ターボ車が135万2400円と、当時の軽自動車としては高価で、ボディが3ドアのみということもあり、販売は低迷します。
スズキ「ジムニー」や三菱「パジェロミニ」といった本格的4WD車のライバルにくらべ、中途半端感があったことも、販売不振の一因でしょう。
結局、4年後の2002年に生産を終了。後継車はありませんでした。
●MDX
カナダで生産されていたアキュラブランドの高級SUV、初代「MDX」は2003年に日本市場で発売されました。車名の由来は「Multi Dimension X」で、多面的要素を高次元に進化させた、未知の可能性を持つSUVという意味が込められています。
MDXは北米市場で2001年に発売されたSUVで、同じくカナダ工場で生産された「オデッセイ(日本名ラグレイト)」のシャシをベースに開発され、日本には輸入車として導入。
外観はタフさと力強さを表現するために「サイ」をモチーフにデザインされた、3列シートのステーションワゴンタイプでした。
エンジンは260馬力を発揮する3.5リッターV型6気筒を搭載し、トランスミッションは5速AT。駆動方式は電子制御可変トルク配分式の4WDで、フルタイム式とパートタイム式の長所を持つ、ホンダ独自の4WDシステム「VTM-4」が採用されました。
MDXは2006年に日本での販売を終了した短命なクルマでしたが、その理由のひとつがボディサイズで、全長4790mm×全幅1955mm×全高1820mmと日本車離れした大きさにありました。
さらに、車重が2030kgとかなりの重量級ということもあり、カタログ燃費が7.8km/L(10・15モード)と、日本での使用は厳しいと判断されたようです。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。