車の軽油は冬場に凍る? ディーゼル車の需要増加で避けたいトラブルとは

ディーゼル車の燃料である軽油は、寒冷地では凍結することがあり、その場合クルマが走らなくなるといいます。凍結を防ぐ方法とは、いったいなんでしょうか。

軽油の凍結に注意! 寒冷地で凍ったときの対処法は?

 ディーゼル車の燃料である軽油は、ガソリン車に用いられるレギュラーガソリンやハイオクガソリンと同様、クルマに使われる一般的な燃料です。近年は、クリーンディーゼルと呼ばれる従来より環境性能が向上したディーゼル車も発売されています。

 しかし気温が下がる冬季は、軽油の凍結に注意が必要だといいます。クルマの燃料が凍ってしまうというのは、いったいどういうことなのでしょうか。

軽油が凍ってしまったときの対処法とは
軽油が凍ってしまったときの対処法とは

 ディーゼルエンジンの搭載車は2019年11月現在、マツダに幅広いモデルで設定があるほか、トヨタや三菱でも車種ラインナップに用意されています。輸入車では、欧州車を中心にさまざまなモデルが存在する状況です。

 出光興産株式会社(出光昭和シェル)の広報担当者は、軽油の凍結について次のように説明します。

「軽油中にはワックス分が存在し、低温になると結晶が分離します。この結晶が多いと燃料ポンプのフィルタを詰まらせ、エンジンがかからなくなります。この現象を、凍結といっております」

 凍結を防ぐために、ディーゼル車のオーナーができる対策にはどういったものがあるのでしょうか。

「寒冷地にいらっしゃる場合は、現地(寒冷地)のガソリンスタンド(SS)で給油することをお勧めします。理由は、気温が低くなる地域では低温流動性に優れた軽油を販売しているからです。

 ガソリンスタンドで販売している軽油は1種類ですが、季節と地域にあわせて凍結しないように製油所で数種類を作り分け、出荷しています。

 種類はJIS規格によって『特1号』『1号』『2号』『3号』『特3号』に分類され、右にいくほど低温流動性は良く、凍結しにくくなります。

 軽油の種類が切り替わる地域や時期の目安については、日本工業規格の発表する“JIS K 2204:2007軽油”内の解説『軽油使用ガイドライン』に地域および各月において、推奨する軽油の種類が記載されております。

 こちらのガイドラインにおいて、以下の期間および地域は3号軽油もしくは特3号軽油の使用が推奨されております。

●3号軽油

 12月 北海道全域、東北、中部地方山岳部

 1月から3月 道南、東北、中部地方山岳部

●特3号

 1月から3月 北海道(道南を除く)

 凍結してしまった場合は、状況にもよりますので一概にはいえませんが、気温の上昇を待ち、エンジンがかかるようになってから最寄りのガソリンスタンドで給油してください」(出光興産広報担当者)

※ ※ ※

 国産メーカーでディーゼルエンジンを搭載しているマツダやトヨタ、三菱といった各社の取扱説明書には、寒冷地に移動する際は到着するまでに燃料の残量が1/2以下になるようにしておき、なるべく早く現地で燃料を補給することを推奨する内容が記載されています。

 もし燃料タンクの軽油が凍ってしまったら、気温の上昇を待つほか、ロードサービスを利用するのも確実といえるでしょう。

 なお、ガソリンは軽油とは異なり「凍結することはありません」(出光興産広報担当者)ということです。

軽油の「凍りやすさ」に地域差が!? その理由とは(10枚)

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