モーターショーなぜ衰退? 加速するメーカーの出展取り止めはなぜ起こるのか

世界的に衰退するなかで、元気が良いのはアジア圏?

 一方で盛り上がっているのは、中国や東南アジアのモーターショーです。世界最大の自動車マーケットとなった中国は年に1度、北京と上海で交互に国際規模のモーターショーが開催されますが、その展示規模と出展社数は文句なしに世界一になっています。

上海モーターショー2019で発表された日産新型「シルフィ」
上海モーターショー2019で発表された日産新型「シルフィ」

 東南アジアのデトロイトを自称するタイのモーターショーも、日本メーカーはもちろんBMWやメルセデス・ベンツ、ポルシェ、ランボルギーニやアストンマーティン、さらには欧州と北米で合計ふたつのモーターショーだけにしか参加しないはずのボルボまでブースを構えているのだから驚きます。

 また来場者数では、2019年にバンコクモーターショー会場を訪れた人は東京モーターショーの2倍以上となる160万人で、これは中国で開催されるモーターショーをも超える世界最多の来場者数です。

 それら新興国では、クルマはまだあこがれの対象。そのため、かつての日本のようにみんなが実際に会場へ足を運んで、クルマを見に訪れるというスタイルになっているのです。また、バンコクモーターショーでは会場で一般消費者にクルマの販売もおこないます。

 話を東京モーターショーに戻すと、来場者数減少の話が多く話題になります。しかし、これは来場者の立場にとっては必ずしも悪い話ではないと筆者は考えます。

 かつて150万人以上が訪れていた時代は、平日に出かけても人が多すぎて目当てのステージ上のクルマをじっくり見ることはできませんでした。

 ここ数年は、平日であればかなりゆっくりクルマを見ることができます。これはクルマ好きにとっては嬉しいことです。あとは、海外の自動車メーカーの出展が再び増えればいうことないでしょう。

 ところで、フランクフルトモーターショーの会場にあった中古車展示スペースは、数百台もしくはそれ未満しか生産されなかったような貴重なクルマが多くありました。

 見ごたえたっぷりなので日本から出かけたメディアの人間も自分の時間を楽しむかのように堪能していました。

 いま、かつてないほど古いクルマがもてはやされて売買価格があがっています。じつは、モーターショーを盛り上げる方法のひとつは、新車ではなく古いヒストリックカーなのかもしれません。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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