百獣の王ライオンもびっくり! ランドローバーの新型「ディフェンダー」がアフリカで見せた実力とは
新世代でも卓越した悪路走破性を保持?
さて、今度はメカニズム周辺を見てみましょう。駆動系がすべてプラットフォーム内に収まっているのが分かります。下回りの突起を無くすことは、クロスカントリー4WDの悪路走破性には重要です。ボディ下の中央部を横から見ると、V字形状にえぐられており、少しでもランプブレークオーバーアングルを稼ごうという意図が見えます。
前のタイヤハウスからはコイルスプリングが見えており、さらに正面を見るとロアアームが覗いているので、フロントサスは堅牢性と操縦安定性・快適性を両立させたダブルウイッシュボーンが濃厚でしょう。ディスカバリーのサス形式を考えれば、リアもダブルウイッシュボーンなのではないでしょうか。
神奈川県相模原市にあるランドローバー専門店「ツインランド」の店長・高松一也氏が、おもしろいことを指摘してくれました。
「発表された写真を見ると、シーンによってタイヤとホイールハウスの隙間が変わっています。これは、車高調整装置が付いているからではないでしょうか」
たしかに、シーンによってはロードクリアランスが変化しているように思えます。ランドクルーザーのサスペンションを考えれば、新型ディフェンダーもコイルスプリングとガスばねを併用した、ハイドロニューマチックサスペンションのような足を採用していることは十分にありえます。
リアバンパーの下を見てみると、バンパーに隠れるように2つの消音器が付いているのが分かります。これはエンジンがV型であることを示しているのではないでしょうか。
ランドローバーは、V8やV6エンジンを好んで使いますが、ディフェンダーの車格を考えれば、ディスカバリーと同じジャガー製3リッターV6スーパーチャージドエンジン、3リッターV6ディーゼルターボ、フォード製2.7リッターV6ディーゼルターボといったパワーユニットが妥当かと思われます。
「PHEVやマイルドハイブリッドもあるのではないか」という噂がありますが、これもまたディフェンダーの車格、そして僻地でのメンテナンス性を鑑みれば、可能性は非常に低いのではないでしょうか。
フロントウインドウを見ると、ルームミラー周辺にカメラとレーダーユニットのような物が見えています。新しいディフェンダーは安全装備の面でもこれまでにないほど進化しており、自動追尾オートクルーズやオートハイビームなどの便利機能もぬかりないと思われます。
またボディに関してはオールアルミで、モノコック構造というのが、最近のランドローバーの潮流です。僻地で活躍するディフェンダーがモノコック構造というのは賛否あると思いますが、もはや同モデルはそういうキャラクターではないのかもしれません。
気になるのは価格ですが、ランドローバーのベーシックモデルとはいえ、最新装備のクルマ。JL型のラングラーをベースに考えると、やはり90インチモデルでも450万円以上になるかもしれません。
110インチモデルは装備によって500万円台後半もありえます。旧型でも高価なクルマでしたが、さらに高嶺の花となりそうです。
なお、新型ディフェンダーは2019年後半にワールドプレミアを予定しています。日本でも東京モーターショーでお披露目になるかもしれません。いずれにしても、クロスカントリー4WDの名車とされるディフェンダーが、どんなクルマになって復活するのかが、いちファンとして非常に気になるところです。
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【了】
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。
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