世界中で注目されている「SUV」と「PHEV」（プラグインハイブリッド車）を兼ね備えた最先端のクルマ。それが、三菱「アウトランダーPHEV」です。

　累計販売台数が20万台を突破した、世界で最も売れているプラグインハイブリッド車には、どのような特徴があるのでしょうか。

　そもそもPHEVとは、どのような意味でしょうか。PHEVとは「Plug-in・Hybrid・Electric・Vehicle」の頭文字をつなげた略語で、「Plug-in」（プラグイン）＝「充電できる」ハイブリッド車のことです。スマートフォンなどと同じように、クルマにプラグを差し込んで充電することができます。

　プラグインハイブリッド車は、外部充電機能を持つほか、一般的なハイブリッド車よりもバッテリー容量が多く、電動モーターによるEV走行をより長くおこなうことができるクルマです。

　充電量が減っても、エンジンによる発電や走行ができるので、電気自動車より航続距離が長く、また電池切れの心配もありません。

　大容量バッテリーは蓄電池としても利用可能なほか、さまざまな電気製品を使用することができ、単なる移動手段を超えた家電的クルマともいえます。

　三菱「アウトランダーPHEV」は、SUVで4WDのプラグインハイブリッド車というユニークなモデル。三菱がこれまでの自動車開発で培ってきた技術、「i-MiEV」の電動車両技術や「ランサーエボリューション」の車両運動統合制御技術、「パジェロ」の4WD／SUV技術を結集して開発された、三菱のフラッグシップモデルです。

　2013年に日本で発売されて以来、これまでに世界50か国以上で販売され、2019年4月にはグローバル販売台数が累計20万台を突破。世界で最も売れているプラグインハイブリッド車であり、欧州では2015年から4年連続で、プラグインハイブリッド車のカテゴリーで販売トップとなっています。

　2018年にビックマイナーチェンジされた国内現行モデルでは、PHEVシステムの主要構成部分の約9割を改良し、EV航続距離65㎞（JC08モード）／57.6 km（WLTCモード）を実現。発電時のエンジン音を大幅に低減し、エンジン発電走行時でも静かな「EVらしい」走りを実現しています。

　また、最大出力1500Wの100V電源コンセントを車内に標準装備し、消費電力の大きいドライヤーや電気ケトルも使用可能です。キャンプ場で炊飯器を使えるほか、海やプールでヘアドライヤーを使うなど、さまざまなシーンで便利に利用できます。

　専用のV2H機器を経由すれば、家庭への電力供給も可能。満充電の状態で一般家庭の最大約1日分、エンジンでの発電も組み合わせれば、ガソリン満タンで最大約10日分の電力が供給可能です。

　このような発電力・給電力は、アウトドア・レジャーで実力を発揮するほか、災害時の非常用電源として活躍を期待されており、東京都練馬区や東京都東久留米市では「災害時協力協定車」に指定されています。

　4WDなので、最低地上高が高く悪路走破性があり、万一の災害現場の走行にも一定の実力があるといえます。また、ミドルサイズのSUVなので、室内空間も広いために車中泊も可能です。

　静かで快適なEV走行からエンジン発電による給電まで可能なプラグインハイブリッド車は、EVモーターとエンジンの利点を組み合わせました。

　難点としてさまざまな機能・装備を備えるためにコストや車体重量がかさみますが、「クルマの新しい価値」を生み出した功績は大きいといえます。

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