シートベルトなぜ地味色多い? カラフルな仕様が増えない理由とは

クルマのシートベルトは、基本的な安全装備のひとつです。最近では、クルマの個性を際出すべく、内外装にカラフルなアクセントを付けるデザインも多くなっていますが、なぜシートベルトは地味な色が多いのでしょうか。

なぜ、シートベルトは地味な色が多い??

 クルマに乗る際、自分や同乗者の命を守る装備がシートベルトです。主に、クルマが衝突して激しい衝撃を受けた場合など、身体を座席に固定することで車内での怪我を抑えるほかに車外へ放り出されることを防ぐ目的があります。

 一般的に、シートベルトの色は黒やグレーといった地味な色合いが多く、高級車やスポーツカーの一部にはカラフルな色が使われています。なぜ、シートベルトは黒などの地味な色が多いのでしょうか。

赤色のシートベルトが個性を放つホンダ「シビック タイプR」

 最近では、さまざまな安全装備が普及していますが、シートベルトは衝突安全には欠かすことのできない基本装備です。そのシートベルトの歴史は古く、1903年にフランスの技術者が「自動車などの防御用ベルト」というものを考案したのが最初といわれています。

 その後、改良を重ね現在使われているシートベルトは、「3点式シートベルト」と呼ばれるものです。これは、1959年にボルボ「PV544」というモデルに初めて搭載し、ボルボは、安全技術を自社だけのものにすることはせず、誰もがこの技術を使えるように特許を無償公開しました。

 長きに渡り3点式シートベルトは採用され続けますが、シートベルトの色は黒やグレーのままでした。クルマは当時の流行などを考慮し、デザインなどに反映した形で商品化されています。

 基本的に外装・内装のデザインは、クルマの個性を際立たせるような加飾が施されますが、なぜシートベルトは地味な色が多いのでしょうか。

 大手自動車メーカーの広報スタッフは、シートベルトの色について次のように話します。

「一般的なクルマのシートベルトの色に黒やグレーが多い理由としては、いくつかあると思います。例えば、人が乗り降りを繰り返すことで、車内のいろいろな部分に汚れが付きます。その汚れを目立たせなくする色として、黒やグレーが使われるのです。

 また、車内の内張り色は基本的に、黒やグレーです。シートベルトだけ色が違うのは違和感があります。それらをふまえて、一般的なクルマのシートベルトは個性を抑えて大衆の人に受け入れられる色が好ましいといえます」

 一方、純正シートベルトで水色を採用するBMW「i8」について、BMWジャパンの広報は次のように説明します。

「BMWは、約20年前からシートベルトの色をモデルやグレードによって変えています。その理由は、内装色やシートとの調和を図るためです。

 プレミアムブランドであるBMWは、インテリアにもこだわるお客さまが多く、黒であれば黒のシートベルト、ベージュのシートであればベージュのシートベルト、よりスポーティなイメージの強いモデルであれば赤や青のシートベルトを採用するなど、モデルやグレードのイメージにあうようにそれぞれコーディネートしています。

 最近は、他メーカーのクルマでも色付きのシートベルトが多くなったのは、それだけこだわりの強いお客さまが多くなり、メーカーがそれに応える形で設定するようになってきたからではないでしょうか」

※ ※ ※

 欧州の高級車などでは、見かけることのあるカラフルなシートベルト。対して、国産車ではホンダ「シビック タイプR」が純正で赤色のシートベルトを採用しています。

 ほかにも、インパネやハンドル、シートといった内装色からホイール、ブレーキキャリパーなどさまざまな部分が赤で統一されるなど、「タイプR」の赤色を強調した特別な仕様です。

 このように、ブランドやモデルの個性が確立されている場合には、カラフルなシートベルトは受け入れられているようです。

赤色シートベルトが個性的な「シビック タイプR」などの画像を見る(10枚)

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