皇族の方々の車は? トヨタ「センチュリー」だけでなく「カローラII」も
皇族の方々がお乗りになる「おクルマ」には、パレードなどで用いられる「御料車(ごりょうしゃ)」と、個人使用の「私用車」があります。それぞれ、どのようなクルマが使われているのでしょうか。
上皇陛下の愛したホンダ「インテグラ」
日本のロイヤルファミリーといえる皇族の方々がお乗りになる「おクルマ」には、ご公務で使用される「御料車(ごりょうしゃ)」と、個人使用の「私用車」があります。パレードなどにも用いられる華やかな御料車に対して、私用車は一般の人でも購入できるようなクルマが用いられているのが特徴です。
今回は、皇族の方々の愛車である「私用車」のエピソードを中心に、皇族の方々のクルマ事情を紹介していきます。
上皇陛下(明仁上皇)の私用車は、ホンダの2代目「インテグラ」でした。このクルマはちょうど現上皇陛下が天皇に即位された年、平成元年(1989年)にデビューしたということもあり、現上皇后陛下(当時の皇后陛下)の美智子さまを助手席にお乗せになり、皇居内でよくご乗車されている様子が報道されていました。
天皇陛下や上皇陛下の免許取得・更新は教習所で訓練を行うわけではありません。視力や実技の検査には皇居内に信号機などの必要な設備を設置し、警視庁の指導のもとで実技の教習をはじめ、免許の取得や更新を行っています。
2016年当時の宮内庁によると「週末に皇居内の東御殿やテニスコートにおいでの際にお使いです」とのこと。一般公道は運転されないそうです。
本来、私有地を走る場合に免許は必要なく、皇居内を運転する場合は上皇陛下も免許は必要ありません。しかし、それでも運転している間は常に免許を所持し、定められた期間によって免許の更新を行っていたご様子で、こういったところに上皇陛下の人柄が伺えます。
2018年12月の宮内庁の発表によると、その後上皇陛下は85歳のお誕生日を機に免許の更新や返納はせず、そのまま失効とされたようです。高齢者ドライバーの事故が相次いで報道されるなか、ご自身が率先してお手本となられるご意向もあったのかと思います。
上皇陛下の愛車であった「インテグラ」は、これからどのように扱われるのでしょうか。宮内庁は次のように説明しています。
「上皇陛下が使用していたインテグラに関しては、陛下の免許返納に伴い通常の廃車処理がおこなわれると思いますが、長年陛下がご愛用していたということもあり、どのようにしていくかは決まっておりません。また本件に関しては公表することではありませんので、正確なお答えもできません」
上皇陛下の愛車が今後も大切に扱われることを祈ります。
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