発売目前のトヨタ「スープラ」は規格外? 17年ぶり復活でトヨタ車基準から外れた理由とは

クルマ好き待望のMT仕様は登場する?

 新型「スープラ」には、ZF製8速ATが搭載されています。しかし、クルマ好きはMT車の登場に期待したいものです。現時点では、新型に用意されない見込みですが、BMWには同じエンジンにMTを組み合わせている「M240i」が存在するので新型「スープラ」へ搭載するのも不可能ではありません。

 MTについて多田氏は「そういった声が多いのは知っています。でも、まずはATに乗ってみてください。気持ちよく走れますから」という一方で「MTの試作車にも乗った」とすでにMTのテスト車両があることも口にしています。また「新型スープラは毎年バージョンアップしていく」とも明言。

 結論としては、デビュー時にはラインナップされないが追って用意される可能性もゼロではない、というところでしょう。

新型「スープラ」はZF製8速ATを搭載

 新型「スープラ」には、パワートレインにおいてもスープラの歴史上はじめてのことが起きています。先代までの「スープラ」は伝統ともいえる6気筒エンジンだけを積んでいました。しかし、今回は4気筒エンジン仕様も用意されているのです。

 この4気筒仕様は、6気筒モデルよりも低価格(6気筒の「RZ」が690万円なのに対し4気筒モデルは490万円から590万円)で販売されます。

 仕様の違いについて多田氏は次のように話します。

「4気筒モデルを廉価仕様だと思って欲しくない。4気筒モデルには4気筒モデルの走りの良さがあり、具体的にいえば重量。前後重量配分50:50を実現しているのは6気筒ではなく4気筒モデルで、フロントが軽いからハンドリングが優れている。

 下りの峠道では4気筒のほうが楽しく、スープラを育てたテストドライバー自身もプライベートではあえて4気筒モデルを購入したほどだ」といいます。

 一方の6気筒モデルの長所は、絶対的なパワーに加えて音やフィーリングといった官能性です。

 また、新型「スープラ」の4気筒エンジンは排気量2リッターのターボ仕様ですが、「SZグレード」に搭載する197ps/320Nmのベーシック版と「SZ-Rグレード」に積む258ps/400Nmの高出力版の2種類があります(6気筒エンジンは排気量3.0Lで340ps/51.0Nm)。両エンジンの違いはどこでしょうか。
 
 基本設計は、どちらも共通で異なるのは味付けですが、197ps仕様は圧縮比を11.0としているのに対し、258ps仕様は圧縮比を10.2へと下げるとともに、ターボの過給圧を高めて『よりターボが働く』設定とし、最大トルク発生回転域が上昇するなどわずかながら高回転寄りの特性となっているのもポイント。

 これらの従来のトヨタ車や歴代「スープラ」と異なる開発背景をもつ、新型「スープラ」はあらゆる意味で、トヨタの本気度合いが見られる渾身のモデルといえるのです。
 
【了】

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車は10年乗ったポルシェ・ボクスターSから乗り換えたルノー・ルーテシアR.S.トロフィーと最終型マツダ・プレマシー。

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