タンポポからタイヤが作れる時代到来? コンチネンタル社の未来を見据えた挑戦とは

エコタイヤでも高性能な「EcoContact6」に隠された技術

 そんなコンチネンタルタイヤが新たなに送り出したのが、新タイヤ「EcoContact 6(エコ・コンタクト6)」です。いわゆる燃費性能やロングライフを重視したエコタイヤですが、コンチネンタルタイヤでは、そのカテゴリを「ハイパフォーマンス・エコ」と銘打っています。
 
 その理由は、エコタイヤとしての性能を重視しながらも、相反するクルマの走りの良さを引き出すグリップやハンドリング性能も高めているからです。

コンチネンタルの新タイヤ「EcoContact 6(エコ・コンタクト6)」

 具体的なテスト数値では、従来品となる「ContiEcoContact 5(コンチ・エコ・コンタクト5)」を100%とした場合、転がり抵抗115%、ウェットブレーキ106%、ドライブレーキ性能102%、ハンドリング性能117%、耐摩耗性能120%、静粛性能100%という性能を発揮。静粛性能以外の面では全面的な進化を果たしています。
 
 特に燃費と寿命に貢献する転がり抵抗と耐摩耗性を飛躍的に高めながら、グリップ性能が求められるハンドリング性能も二桁の伸びを見せている点は、特に興味深いところです。
 
 同社の技術サービス&トレーニングマネージャーである小川直人氏も「相反する性能を両立しただけでなく、これだけの性能を備えたタイヤは、かなり珍しいです」と新タイヤの性能に自信を伺わせています。
 
 また、この相反する性能を可能とした要素には、次世代コンパウンド「グリーンチリ2.0」、タイヤのトレッド面に刻まれたサイプやリブ、グループなどのタイヤパターンの最適化及び改良など、新技術の積極的な採用が挙げられるでしょう。
 
 環境性能においては、幅広いサイズで欧州タイヤラベリング制度「ウェットブレーキ性能、転がりタイヤ抵抗」共に最高グレードの「A/A」を獲得。これは日本のタイヤラベリング制度の転がり抵抗の最高ランク「AAA」にも準ずるとしています。
 
 こうした結果を踏まえても分かるとおり、「EcoContact 6(エコ・コンタクト6)」はエコタイヤとして一級品であるということになります。

幅広いジャンルのクルマで純正採用される「EcoContact 6」

 この新タイヤの守備範囲の広さを感じるのが、純正装着される新型車のバリエーションです。フィアット「パンダ」やボルボ「V40クロスカントリー」などのコンパクトカー、メルセデス・ベンツ「Cクラス」やアウディ「A8」などの高級セダン、さらにアウディ「Q2」「Q6」などのSUVまでが含まれます。
 
 このようなサイズやキャラクターも異なる幅広い車種が純正品として採用することも、優れた基本性能の裏付けといえるでしょう。

コンチネンタルのメイ社長(左)と小川直人氏(右)

 コンチネンタルタイヤ・ジャパンによると、日本での展開は、13インチ~18インチまでの31サイズからスタートし、今後も順次サイズを追加していく方針といいます。また、価格については「オープンプライスとなりますが、従来品と比べるとやや高めとなる予定です」とのことです。
 
 コンチネンタルタイヤとしては、ドイツ生まれならではの技術の高さ、自動車開発で培ったノウハウを活かした開発体制など、長年の経験と実績から生まれた高品質タイヤである点を評価して選んでほしいといいます。
 
 環境性能には優れるが運動性能はイマイチという認識のエコタイヤ。そのイメージを一新すべく生まれたのが、ハイパフォーマンス・エコタイヤの「EcoContact6」といえるでしょう。高性能タイヤほどのスペックは必要としないが、運転を楽しめ、お財布に優しいエコタイヤという点からも、クルマ好きから高い注目を集めそうです。

【了】

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Writer: 大音安弘(自動車ライター)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『ナビカーズ』『オートカーデジタル』『オープナーズ』『日経トレンディネット』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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