進化し生まれ変わったアディバ「VX-1」は、使える回生ブレーキ、選べるバッテリー容量、そして力強い加速が魅力

乗り心地良好で快適に、力強く!!

 話をアディバ VX-1に戻しましょう。跨ってまず感じるのは、足着き性がよろしくないこと。シート高770mmは、たとえば「フォルツァ」と比較すれば10mm低いものの、座面や車体の幅が広く、身長175cmの筆者だと地面に降ろした足はカカトが浮いてしまいます。

足つき性が問題か?筆者の身長は175cm

 とはいえ、走り出してしまえばゆったりとしたライディングポジションで快適です。シートは広いし、足もとにも余裕があり、ビッグスクーターならではの堂々たる乗り心地。モーター音しかせず、まわりのクルマやバイク、歩行者からはすぐに電動であることがわかり、自慢げに走れるのもセールスポイントでしょう。きっと初めて見た人は、「こんなでかい電動スクーターあるのか!」と、驚くはずです。

 ブラシレスDCモーターはホイールイン方式で、タイムラグ一切なしに駆動輪をダイレクトに回します。最初に述べたとおり、加速は鋭く、クルマの流れをリードするのは容易いことです。最高速は110km程度に設定され、東名高速道路もクルージングできるでしょう。

走りと充電を手助けする回生ブレーキが秀逸すぎる

 アクセルグリップを全閉方向にグイッと入れると、回生ブレーキがエンジンブレーキのように強力に効き、操作に慣れてくると前後ブレーキを使わずとも停止できてしまうほどです。ただしブレーキを使わずに減速すると、当然ながらブレーキ灯は点きませんから、後続車がいる場合は適度にレバーを握ってランプを光らせた方が追突防止のために良いかもしれません。

回生ブレーキは慣れればブレーキがわりにも使えるようになる

 また、停止時にアクセルグリップを全閉させ、回生ブレーキを効かせるように進行方向へ逆回しするとバックさせることもでき、取り回しがとてもラクでした。足着き性の悪さはリバース機能で補ってくれ、帳消しというわけです。

 インストゥルパネルには3連メーターが備わり、真ん中の速度計をアナログタイプの指針式とし、スポーティな装いとしています。

 バッテリー残量は右のディスプレイで確かめられますが、回生ブレーキを連続して使っていると目盛りが1段上がることがありました。強力なエンブレとして走りを手助けしつつ、バッテリーの充電にもしっかり役立っていることがわかります。

インフラの整備が今後の課題

 充電は家庭用の100Vコンセントに付属の充電ケーブルを差し込むのが簡単ですが、充電スタンドのSAEJ1772方式(国際規格)を使えばより短時間で済ませられます。

国際規格の充電ケーブルを使えば短時間で充電を済ますことが可能

 7.2kWh仕様だと100V充電時では4.8時間、200Vなら2.2時間に。ただし、バイクで利用できる充電スタンドはまだ限られています。アディバの発表によれば、ランニングコストはガソリンエンジン車の1/3ほどとのことですから、インフラがもっと整えばVX-1の魅力はますます高まるでしょう。

【了】

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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