「納期がかかる」は人気車の証? 新型車がユーザーを待たせる理由とは

日本国内での新車市場では、納期に時間がかかる新型車がどんどん増えています。国内新車市場は伸びていないにも関わらず、なぜ納期が非常にかかるのでしょうか。その理由を探ってみます。

国内新車市場は低迷しているのに新型車の納期が長いのはなぜ?

 最近の新型車には、納車までに時間がかかる車種が増えています。スズキ「ジムニー」は2018年7月の発売当初、納期が約1年といわれました。直近では需要が少し落ち着いて短くなりましたが、それでも半年を要します。人気があり、売れすぎて生産が追いつかないことが納期が長くなる大きな理由のようですが、納期がかかる新型車はどんどん増えています。国内新車市場は低迷しているにも関わらず、なぜ納期が非常に遅いのでしょうか。

納期がすでに春と言われる三菱 新型「デリカD:5」

 レクサスの新型車「ES」と「UX」は、2018年11月下旬に注文を入れて、納車できるのは両車ともに2019年4~5月です。約半年は待たされます。ホンダ「CR-V」は、2018年8月の登場ですから3か月以上経過しましたが、納期は1.5リッターターボ、ハイブリッドともに2018年11月下旬の注文で3~4月です。つまり5か月程度は待たされるわけです。

 納期が長い理由をさまざまな販売店に尋ねると、「受注台数の割に生産台数が少ない」と共通して聞かれます。

 たとえばホンダは、2018年10月31日にCR-Vの受注状況を発表しました。その報道発表資料には「CR-Vの累計受注台数は、(発表から)1か月後となる9月30日に5000台を超え、月間販売計画(1200台)の4倍以上となる好調な立ち上がりとなりました」と記載されています。「たくさん売れている人気車です!」と誇らしげですが、ユーザーは長期間の納車待ちに困っています。

 今はクルマの需要の70%以上が乗り替えに基づきます。愛車の車検満了が3か月後くらいに近づいた時、新車の契約を行い、愛車を下取りに出して購入します。この新車の納期が半年後であれば、車検満了に合わせて愛車を手放すと、3か月間はクルマを持たない状態が生じます。

 これを避けるには、3か月間使うために継続車検を受けるなど、ユーザーに無理やムダが生じます。顧客本位で考えれば、受注状況に応じて生産台数を調節して、納期を適正に保つべきでしょう。

 この点をあるメーカーに尋ねると、次のような返答でした。「受注台数が増えた時でも納期を通常の1~1.5か月に収めるには、部品を供給するサプライヤー(下請メーカー)も含めて、規模の大きな生産設備を確保する必要があります。そうなると発売から時間を経過して売れ行きが下がった時に、過剰な生産設備を持つことになってしまいます。生産量を増やすには、継続的に安定した需要を見込めることが不可欠です。そうなるとメーカーとしては、増産に踏み切りにくいのです」。合理的に生産するため、ユーザーが待たれることになります。

直近でデビューした新型車で納期が長いモデルを画像でチェック(25枚)

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