ボッシュ、電動スクーターに関連する様々な技術を提案【EICMA2018】

ボッシュは、近未来の電動バイクについての提案をEICMA2018で行なっています。世の中に浸透する電動バイクは、自家用それとも商用どちらからなのでしょうか?

バイクにも電動化の波が押し寄せつつある!

 KYMCOやBMWをはじめ、世界中のバイクメーカーは、近年電動バイクの開発に取り組んでいます。11月6日に開幕したEICMAでは、キムコが電動スーパースポーツ「スーパーネックス」を発表し、ハーレーダビッドソンは電動バイクの市販バージョン「ライブワイヤー」をお披露目したほどです。しかし、現時点で電動バイクは航続距離や充電インフラが十分とは言い難いのも正直なところです。

ボッシュの電動バイクテスト車両

 今回ドイツのエンジニアリング企業であるボッシュが、電動バイクの現実的な未来像を提案していたので、ご紹介します。

 ボッシュがEICMAで展示していたのは「インテグレーテッドeスクーターシステム」というものです。これは、電動スクーターとそれらを繋ぐネットワークやアプリなどを含めたシステムで、限られた地域で配達業務などに使用する電動スクーター運用システムの提案です。

 まず電動スクーター本体は、最大11kWを発揮する電気モーターを搭載し、コントロールユニットが電気モーターの最適なパフォーマンスやエネルギー回生、冷却能力などを制御します。モニターには車速とリチウムイオンバッテリー残量、航続距離が表示されます。

 また、車体にはコネクティビティボックスが搭載されていて、インターネットを介して次世代スマホアプリからロック/アンロックが遠隔操作できるほか、車速やバッテリー残量、航続距離などの確認や、ナビの目的地設定も可能です。緊急メッセージの送信もでき、リチウムイオンバッテリーも専用のマネジメントシステムで行います。

配達業務用にデザインされた3輪電動スクーター

 ボッシュのブースには、このシステムを用いたeカーゴバイクのプロトタイプも展示されていました。配達業務用にデザインされた3輪車のモデルは、48Vオンボード電源を採用して高効率化を図り、ネットワークで繋ぐことで都市部におけるさまざまなデリバリー業務に最適な運用を可能にしています。

 このようなコネクティビティを用いた電動車両の管理システムは、じつは商用車の世界で以前から提案されています。運行スケジュールやバッテリーを含めた車両メインテナンス情報、車載ナビへの最適な配達ルートの送信といったアイデアや技術は、ボッシュの得意分野といえます。

 今後ボッシュは電動バイクの世界でも、大きな役割を果たすことでしょう。

【了】

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Writer: 竹花寿実

自動車専門誌やWeb制作スタッフを経て2010年に渡独。ドイツ語を駆使して現地で最新モデルや最新技術、クルマ文化、交通政策などを取材する。2018年に帰国後は、国内をベースに欧州車を中心に各種メディアに執筆。ヨーロッパのサッカー事情にも詳しい。

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