テスラの「空飛ぶクルマ」なぜ飛べる? “逆さま走行”から空中回転&着地まで! 新型「ロードスター」の驚きの仕組みとは!
テスラが発表した新型「ロードスター」は、逆さま走行や空中回転、着地まで披露して話題となりました。まるでマジックのような動きを可能にした仕組みとは、どのようなものなのでしょうか。
テスラの「空飛ぶクルマ」なぜ飛べる?
テスラが突如発表した「空飛ぶクルマ」(新型ロードスター)は、マジックショーを見たような気持ちにさせられた。自動車業界的には「何が起きたのかわからない」と表現した方が正しいかもしれない。AIで作った画像だと思った人も多かったようだ。
されど現実の“マニューバ”だったことが判明。となると次は「どんなネタを使ったのか?」になる。衝撃のマジックショーの物理的な検証を紹介したい。
まず最初の「ウソでしょ?」はクルマが裏返しになって走ることだと思う。どんなマジックを使ったのか、わかりやすく説明しよう。
F1カーはウイングでダウンフォース(クルマを地面に押さえつけるチカラ)を生み出している。高速域だと2000kgを超えるチカラになるそうな。F1カーが850kgだとすれば、ダウンフォースで天井を走ることだって可能になる。
テスラの場合、車体と路面の間に隙間をなくす「スカート」を付け、合計109馬力の電動ファン(掃除機をイメージしてもらえばいい)でクルマと路面の間の空気を抜いているという。

ご存知の通り大気圧は1平方mあたり10トン。真空にすればわずか1m×1mの面積でクルマ10台分に相当する10トンを天井に吸い付かせる。ちなみに“吸盤”も大気圧を利用して吸い付かせています。
テスラの床下に6平方m(1.5m×4m)の吸盤のようなものを設ければ、標高1000mの大気圧の半分(0.9気圧)にする掃除機のパワーで6トンの車重を天井に吸い付かせることが可能になる。
今回の“マジックショー”に使ったテスラの車重が2000kgあったとしても、余裕で裏返しにできる。なお、裏返しになった状態から落下させる時はファンのスイッチを切ればいいだけ。以上が裏返しの“ネタ”です。
次は落ちてから着地までの“ネタ明かし”を。空飛ぶテスラは69MPaの気体を充填する合計600リットルの高圧タンクを搭載している。トヨタの燃料電池車「MIRAI」に搭載されている高圧タンク(70MPa)より低いため技術的な問題なし。
搭載しているスラスタの最大推力は80kN超(約8200kg重以上)だと公表されている。前述の通り空飛ぶテスラの車重を2000kgとすれば十分飛ばせるパワーになる。
搭載している高圧の空気を10基のスラスタ(宇宙ロケットの姿勢を制御するための噴射装置)から吹き出す。10基の内訳は、車両の重量を支える下向きが4基、裏返しになった状態から落下する猫のように車体の向きを変えるため6基のスラスタを使う。
打ち上げた宇宙ロケットを回収して再使用している「スペースX」に使っている技術を流用したと思えばいい。
超高速で地上に落下してくる宇宙ロケットを着陸させることを考えれば、逆さになったクルマの向きを変え、軟着陸させるなど容易なことだと思う。
実証試験の映像など公開されているので、スローモーションにしてジックリ&何度も見たら、なるほどスペースXと同じようなスラスタの使い方をしている。マジックショーに必ずネタがあるように、空飛ぶクルマも物理的に整合してます。
さて、ここからが本題だったりする。テスラはこの技術を何に使おうとしているのだろうか。
実験映像には衝突事故の寸前に空飛んで回避する実証試験などあった。確かに車高4m程度のトラックなら飛び越えられる。飛び出してきた歩行者も避けられるだろう。ただそういった避け方は、アメリカといえども認可してくれないと思う。安全に着地できるとは限らないからだ。
当面はスポーツモデルの性能向上に使うと予想しておく。推力4000kgのスラスタを後方に向けたら文字通りロケットダッシュとなる。
はたまた2000kgのダウンフォースを生む吸い出しファンを稼働させることでタイヤのグリップ力を大幅に高められるため、大出力のモーターを搭載してもホイールスピンせず轟然とダッシュできる。今まで味わったことのない加速になるだろう。
「意味ない」と言われたらその通り。だからこそ今回のマジックショーを目の当たりにした自動車関係者は「知らんぷり」を決め込んでいる。実際、自動車業界から何の反応もない。
さもありなん、私も見ない振りをしようと思ったけれど、あまりに面白かったのでネタばらしをしようと調べてみただけ。今回の技術がクルマに使われても役立てる機会はないと思う(笑)。







































