対向車のライトが「まぶしすぎる!」 ロービームでも“目に刺さる”のはなぜ? 米国が安全基準見直しへ! 日本で進む「光の向き」対策とは
最近、対向車のヘッドライトが「まぶしい」を通り越して「痛い」と感じたことはありませんか。米国では2026年10月、まぶしさ対策に向けた安全基準の見直しに着手したといいます。なぜ、基準に適合したヘッドライトでも、目に刺さるほどまぶしく感じることがあるのでしょうか。
ロービームでもまぶしいのはなぜ? 光の色と「目に入る角度」が関係
対向車のライトのまぶしさは、ライト自体の明るさに加え、光の色や目に入る角度、車両同士の位置関係によっても変わります。
筆者(のぐちまさひろ)が乗っているのはステーションワゴン車ですが、対向車とすれ違う際に、LEDヘッドライトの光が目に突き刺さるように感じることがあります。単にまぶしいというより、目が痛いのです。
![ロービームでもまぶしいのはなぜ? 光の向きや道路の起伏も関係[画像はイメージ/Photo:bee/PIXTA]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/11/pixta_79694372_XLx.jpg?v=1764221712)
とくに気になるのが、SUVやミニバンなどとのすれ違いです。車種によって違いはありますが、ライトの取付位置とこちらの目線の高さも、考えたい要素です。
日本では、ロービームにも明るさや配光などの基準が設けられています。配光とは、どの方向に、どれくらいの光を届けるかということです。
ロービームは、前方の路面を照らしながら、対向車へのまぶしさを抑えるように光を配っています。ただし、照らす範囲には明るい部分と暗い部分があり、見る位置によって目に入る光の量は変わります。
そこに道路の起伏が重なると、状況はさらに変化します。
対向車が坂を上ってきたり、段差で車体が揺れたりすれば、光がこちらの目に届く角度も変わります。平らな道では気にならなかったライトが、すれ違う瞬間に強くまぶしく感じられることもあるのです。
光の色も、不快感に関わります。
米ミシガン大学が2005年に公表した研究では、実験に使ったLEDヘッドライトのうち、ハロゲンなどより青く見える光は、不快なまぶしさを生じやすい傾向が報告されました。
ただし、研究ではLED固有の性質というより、使用した光の色の影響と考察されています。「LEDなら必ずまぶしい」とひとくくりにはできません。
こうした問題への対応として、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は2026年10月6日、車両の灯火に関する安全基準「FMVSS No.108」の見直しに向けた取り組みを発表しました。
検討項目には、ヘッドライトのまぶしさ、LEDや自動ハイビームなどの技術、ライトの取付高さや照射方向が含まれています。NHTSAは関係者や専門家との協議を通じて、基準を見直す方針です。
日本でも自動調整の対象を拡大! ドライバーができる対策は?
日本でも、光の向きを適切に保つための対策が進められています。
代表的なのが、ヘッドライトの上下方向の光軸を自動で調整する「オートレベリング機構」です。光軸とは、ライトが光を向ける方向を示します。
後席に人が乗ったり、荷室に重い荷物を積んだりすると、車体の後部が下がり、ライトが上を向くことがあります。オートレベリングは、こうした車体の姿勢の変化に応じて照射方向を補正する仕組みです。
国土交通省は2024年9月、この装置の義務付け対象を拡大する基準改正を発表しました。乗車定員10人以下の乗用車などでは、新型車に2027年9月1日から、継続生産車に2030年9月1日から適用されます。
さらに、対向車や先行車の位置を検知し、その部分への照射を抑える配光制御技術もあります。ハイビームとロービームを丸ごと切り替えるだけでなく、周囲の車両へのまぶしさを抑えながら、ほかの範囲を遠くまで照らす技術です。
改善を示す評価結果もあります。
米国道路安全保険協会(IIHS)によると、同協会が評価したヘッドライトシステムのうち、過度なまぶしさが認められた割合は、2017年式モデルの21%から、2026年式モデルでは5%に減少しました。
これは同協会の評価対象に限った数値ですが、まぶしさを抑える設計が進められていることがわかります。一方、実際の道路では、車両の姿勢やすれ違う角度などによって、強くまぶしく感じる場面が残ります。
ドライバー自身ができることとしては、まず、自車のライトの照射方向を適切に保つことが挙げられます。
手動レベリング機構付きのクルマなら、乗車人数や荷物の量に合わせ、取扱説明書に示された目安でダイヤルを調整します。照らす位置に違和感があれば、販売店などで光軸の点検を受けたいところです。
自動ハイビームや配光制御機能も、周囲の状況によっては適切に切り替わらない場合があります。必要に応じて手動でロービームへ切り替えるなど、運転者自身の確認が大切です。
なお、周囲の明るさに応じて点灯する「オートライト」は、光軸を調整する機能とは別です。義務化に対応した装備では、周囲が暗いときの走行中は手動で消灯できない仕様ですが、停車中の操作は車種や年式によって異なります。
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ヘッドライトに加え、フォグランプの使い方にも気を配りたいところです。
とくにリヤフォグランプは、霧や雨などで視界が悪いときに、後続車へ自車の存在を知らせるための装備です。視界が悪くない場面で使うと後続車の迷惑になる場合があり、必要なときに使い、不要になったら消すことが大切です。
夜道を見やすく照らしながら、周囲へのまぶしさを抑える。基準や装備の進化と、ドライバー自身の適切な操作を組み合わせることが求められています。






























