豪快なのにメチャ優しい! 茨城「ドライブイン51号」お母さんの“チカラめし”とは ~昭和のドライブイン巡り~
昭和という時代の“空気感”を色濃く残すドライブインは、ある種のノスタルジーや普段は見過ごしがちな大切なモノを思い出させてくれる気がします。今回の目的地は、茨城県鉾田市の「ドライブイン51号」。バイクで訪ねた先で出会ったのは、優しさと力強さを兼ね備えた「スタミナライス」でした。
久しぶりのバイクで気になる「国道沿い」ドライブインへ
高度経済成長期のマイカーブームとともに激増したドライブインは、現在ではその役割を「道の駅」やサービスエリアに譲り、全国で200店舗程度にまで減少しているといわれています。
その一方、現存するドライブインは、素朴ながらも温かみのある料理や独自のサービスによって、多くのファンから根強く支持されているのです。
今回の目的地は、茨城県鉾田市の国道51号沿いにある「ドライブイン51号」。その名もズバリ、国道名を冠した分かりやすいネーミングです。
いつものドライブイン巡りはクルマですが、今回は愛車のホンダ「レブル250」で向かうことにしました。
というのも、24か月点検で訪れた「ホンダドリーム」で、走行距離が少なすぎてバッテリーが心配だと指摘されたのです。おまけに「最近はバッテリーも高騰しているんですよ」との追い打ちまで。
親切なアドバイスのはずですが、少しばかり脅された気分に……。
確かに最近は、すっかりクルマ中心の生活。バイクに乗る機会がめっきり減っていました。ならば、以前から気になっていたドライブインまで走ってみようというわけです。
![茨城「ドライブイン51号」お母さんの“チカラめし”とは[Photo:のぐちまさひろ]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2027/10/20261026_DRIVE-IN-Route51_001.jpg?v=1792981574)
筆者(のぐちまさひろ)の自宅がある千葉県船橋市から一般道だけで片道約92km、往復約184kmのツーリング。
ところが、久しぶりの長距離走行は思った以上に体にこたえました。走っている間は気持ちがいいものの、じわじわと疲労が蓄積。往路では結局2回も休憩することに。
バイクのバッテリーを心配して出発したはずが、先に乗り手のスタミナが怪しくなってきました。
サーファーに仕事人、観光客まで! まるで「みんなの食堂」
ようやく到着した「ドライブイン51号」は、色あせた縦長の看板に、砂利敷きの駐車場。昭和のドライブインらしい飾らない佇まいに、長旅の疲れも少し和らぎます。
店内に入ると、木の内装や黒板メニューが目に飛び込んできます。初めて訪れたはずなのに、どこか懐かしい。そんな不思議な安心感があります。
さらに興味深かったのが、客層の幅広さです。
サーファーに、仕事の合間と思われるガテン系の人たち、観光で立ち寄ったらしいご夫婦。年齢も服装も、ここに来るまでの道のりもバラバラですが、誰もが自然に食事を楽しんでいます。共通しているのは、お腹がすいていることくらいでしょうか。
それでも、誰もが自然に溶け込んでいて、地域の人たちが集う子ども食堂のような、優しい空気が流れています。常連も一見さんも関係なく、温かく迎え入れてくれそうな懐の深さを感じました。
そんな雰囲気を象徴していたのが、メニューに添えられた一文です。
「愛情込めて調理しておりますが、一人で作っておりますので提供に時間がかかります」
提供が遅くなることへの断り書きなのに、なぜか温かい。料理を待つ時間まで、ちょっと楽しみになってくるから不思議です。
慣れないロングツーリングで疲れた体には、こういう気負わず過ごせる場所がありがたい。しばしバイクのことを忘れ、お目当ての料理を待つことにしました。
豪快そうで実は繊細!? 甘辛ダレと紅ショウガが絶妙な「スタミナライス」
今回注文したのは、看板メニューの「スタミナライス」(1000円)。運ばれてきた一皿には、甘辛いタレをまとった豚肉に、ニンニク、ニラ、卵。いかにもスタミナが付きそうな面々が、ご飯の上に勢ぞろいしています。
しかも、冷ややっこに青菜のおひたし、みそ汁まで付いてきました。
ガッツリ系の料理を想像していたところに、どこか家庭的な定食の佇まい。見た目からして、ちょっと優しいのです。
さっそく豚肉とご飯を一緒に頬張ると、甘辛いタレが食欲にブーストをかけてきます。ニンニクの風味も加わり、ご飯が進むこと進むこと。長旅で消耗した体が、ここぞとばかりに栄養を求めているようです。
ただ、味付けの濃さとボリュームで押し切る、いわゆる「チカラ任せ」の料理ではありません。
豚肉の焼き加減や、ニラと卵の組み合わせにも丁寧な仕事ぶりが感じられ、甘辛いタレが全体をうまくまとめています。豪快な見た目とは裏腹に、味わいにはどこか繊細さがあるのです。
そして、ここで満を持して投入したのが、別添えの紅ショウガ。茶色と緑が中心だった一皿に鮮やかな赤が加わり、見た目が一気に華やぎます。さらに、甘辛い味わいに爽やかな酸味が加わり、シャキッとした食感もいいアクセントに。
彩りだけでなく、味わいまで鮮やかに変えてしまうとは、なかなかの仕事人です。
最初はそのまま、途中から紅ショウガと一緒に。そんな二段構えで楽しんでいるうちに、気づけばお皿はきれいに空っぽになっていました。
ガツンと食欲を刺激しながらも、どこか丁寧で優しい。なるほど、これが「お母さんの“チカラめし”」というわけです。
「お母さんの“チカラめし”」が底力を発揮!? 帰りはまさかのノンストップ
さて、すっかりお腹も満たされたところで、そろそろ帰路につきます。
スタミナライスという名前から、食べた途端にパワーがみなぎるような料理を想像していました。ところが、実際にはもっと穏やか。体の奥底からじわじわと元気が湧いてくるような、不思議な満足感が残ったのです。
料理そのものの丁寧な味わいに加え、店内を包む優しい空気感も関係しているのでしょう。お腹だけでなく、気持ちまで満たされたような気がします。
そんな余韻に浸りながら、再びレブル250にまたがります。
すると、帰り道でちょっとした異変が起こりました。往路では2回も休憩したというのに、復路はなんと休憩なし。船橋までノンストップで走り切ってしまったのです。
もちろん、スタミナライスに疲労回復の特効薬のような効果があるわけではありません。久しぶりのツーリングに体が慣れたのかもしれませんし、帰り道のほうが気持ちに余裕があった可能性もあります。
それでも、あの甘辛い味わいと、食堂を包む温かな空気が、少なからず背中を押してくれたような気がしてなりません。
バイクのバッテリーを心配して出かけた今回のツーリング。結局、ドライブインでしっかり充電してもらったのは、乗り手のほうだったようです。

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■ドライブイン51号
所在地:茨城県鉾田市台濁沢559-6
営業時間:10時30分~15時00分
定休日:日曜
Writer: のぐち まさひろ
ゴルフとサウナと愛犬のチョコをこよなく愛するライター&ディレクター。20年ほど従事したクルマ系メディアの編集者からフリーランスになり、これから何をしていこうか色々と妄想中。SAJスキー検定1級/国内A級ライセンス/小型船舶2級/サウナスパ健康アドバイザー所持。ホームコースは「南総カントリークラブ」で、直近1年間のハンデ推移は「7.7」→「8.6」→「7.1」→「5.6」。












































































