日産「新型キックス」の“第3世代e-POWER”本当に良くなったのか? カローラクロス&ヴェゼルと同時走行で判明した「驚きの実燃費」
高速燃費が弱点とされる日産の「e-POWER」ですが、新型「キックス」に搭載された「第3世代」では燃費が改善されたといいます。そこで、ライバル2車と同時走行して実燃費を徹底検証しました。
120km/h巡航でみせた「第3世代e-POWER」驚きの実力とは
今度は、酒々井SAから120km/h巡航燃費を計る。東関道の120km/h区間は短いため、富里ICと四街道ICの間を往復してみた。この区間、私はヴェゼルを担当する。
120km/hを維持しようとするとけっこうなアクセル開度です。そして、高速域だとホンダの特徴となる直結駆動モードを使えない。結果、ヴェゼルはWLTC高速道路モードの「20.7km/L」に届かず実燃費「14.3km/L」。カローラクロスも120km/h巡航しようとしたらアクセルを踏まなければならず、WLTCの「23.9km/L」に遠く及ばない「16.5km/L」となった。
今回の120km/h巡航、WLTCの高速道路モードよりずっと厳しい条件らしく、e-POWERにとって最も苦手な状況かと思われたが、燃費を見て「あれれ?」。新型キックスのWLTCの高速モード燃費はヴェゼルと同等の「20.8km/L」ながら、この区間で実燃費「16.2km/L」を記録。カローラクロスに肉薄した。
なるほど、第3世代e-POWERに使われている1.4リッター3気筒の発電用エンジンの熱効率は大幅に改善されているようだ。
加えて速度域が高いため、ヴェゼルもカローラクロスも直接駆動状態をほとんど使えず。

ここでなぜe-POWERが高速燃費で不利なのか、改めて説明しておく。日産式ハイブリッドであるe-POWERは、エンジンで発電機を稼働させ、インバーターを通してモーター駆動する。発電機とインバーターで熱効率を落としてしまう。
一方、トヨタのハイブリッドシステム「THS 2」はエンジンが掛かった時点から全域で優れたエネルギー伝達効率を持つ直結駆動しているし、ホンダの「e:HEV」も高速巡航時に限られるが直結駆動モードを持つ。
ということなのだけれど、加減速の激しい120km/hモードだと、ヴェゼルは直結モードに入らず、カローラクロスも直結モード比率が低くなってしまう。エンジンの熱効率勝負になるというワケ。ヴェゼルとカローラクロスは、120km/hの一定速度巡航ならもう少し良い燃費になったかもしれない。
新型キックスに搭載されている第3世代e-POWER、今までより大幅に燃費がよくなったようだ。
最後は渋滞の多い市街地風の区間。私の担当はカローラクロスです。やはり圧倒的に燃費がよく「26.6km/L」。WLTC市街地モードの「23.1km/L」を大きく超えてきた。
新型キックスはWLTC市街地モードの「21.2km/L」を超える実燃費「22.5km/L」、ヴェゼルが同じくWLTCで「20.6km/L」のところ「21.9km/L」になった。第3区間の走行条件がWLTCの市街地モードより少し良かったのだろう。新型キックスとヴェゼルは互角でした。
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今回の比較テストをどう考えたらいいか。
新型キックスに採用されたe-POWERは、直結モードを使える道路状況のヴェゼルと同等だと判明した。つまり直結モード無し分をカバーできるくらいエンジンの熱効率が良いということ。
ホンダもエンジンの熱効率を改善させた次世代パワーユニットをスタンバイさせているから、次期型ヴェゼルで新型キックスを凌いでくると予想しておく。
そして、トヨタ式ハイブリッドであるTHS 2だけれど、改めて強いと思った。どんな条件でも素晴らしい伝達効率を持つ。
今回新型キックスに肉薄された120km/h燃費ながら、1997年の初代「プリウス」からハイブリッドと付き合ってきた私がハンドル握っていたら、もう少し違った数字になったことだろう(今回はあえて平均的なドライバーのための計測を心がけた)。
いずれにしろ、新世代e-POWERを見直しました。
Writer: 国沢光宏
Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。








































