“後輪駆動”の“新”「ちいさな高級SUV」! 新たな黒顔の「クロスカントリー」どんなモデル? ボルボ・EX30クロスカントリーUltra P5 Long Range Electricの実力とは
ボルボ・カー・ジャパンは2026年7月23日、「EX30クロスカントリー」の後輪駆動モデル「Ultra P5 Long Range Electric」を発売しました。どのようなモデルなのでしょうか。西川 昇吾氏が試乗しレポートします。
後輪駆動のクロスカントリー
ボルボ史上最も小さなSUVであり、現在のラインアップの中で最も小さなモデルである「EX30」。その立ち位置からユーザーにとってファーストボルボ、そしてファーストBEVになるケースも多い1台です。
今や日本市場でボルボ・カー・ジャパンにとって欠かすことのできないモデルと言えますが、この日本マーケットに不可欠なモデルに特別仕様車としてクロスカントリーのシングルモーター仕様、「EX30クロスカントリー ウルトラP5ロングレンジ エレクトリック」が登場しました。
日本市場で販売されるEX30にクロスカントリーが追加されたのは、2025年8月に導入された2026モデルからになります。
一目見て分かるようにSUVらしさをより引き立てた専用のエクステリアデザインが与えられるほか、20mm高められ195mmとなった最低地上高、そして専用セッティングのサスペンションやパワステの設定など、通常モデルとは見た目も走行性能に関する部分も変更されて登場しました。
当初クロスカントリーが用意されたのはAWDとなるツインモーターのみとなっていました。クロスカントリーというグレード名を考えると、悪路走破性や雪道での走行安定性に優れているAWDのみとなるのは理解できますが、「より求めやすい仕様でクロスカントリーの見た目が欲しい!」という需要はグローバルであったようです。
そのような市場からの声を受けて2027モデルからシングルモーターでRWD仕様のクロスカントリーが追加されました。
AWDと比べると約50万円安い価格設定となっています。なお、今回日本市場においては特別仕様車という位置づけですが、今回限りの限定モデルになる予定は今のところないそうです。
また、2027モデルからグレード名称が変更となりました。ツインモーターやシングルモーターという名称が撤廃され、ウルトラP8 AWDやP5ロングレンジというネーミングになっています。
今回特別仕様車で投入されたクロスカントリーは「EX30クロスカントリー ウルトラP5ロングレンジ エレクトリック」という正式名称となっています。
このような生い立ち、そしてRWDであることを聞くと「見た目だけのクロスカントリー」というイメージを持ってしまうかもしれませんが、サスペンションやパワステのセッティングは元々存在するEX30クロスカントリーと同じ方向性になるように仕上げられています。
ただし、駆動方式や重量が異なるため、RWDのクロスカントリーのためにバネレートや減衰力を中心としたサスペンションのセッティングは、新たに開発し直されています。
運転をし始めてみるとクロスカントリーらしい乗り味はしっかりとそのまま残っていました。柔らかなサスペンションやボールナット方式を思わせるダルなステアリングフィールは、まさしく昨年登場したAWDのクロスカントリーそのものです。
ただ、自動車専用道路と高速ワインディングを主体とした今回の試乗コースではマッチしていない部分もあると感じたのが正直なところ。あえてダルな方向性に制御されたパワステは落ち着きが感じられず、高速道路で真っすぐ走りづらいと感じてしまうかもしれませんし、高速移動時の波打った路面では少々不安定感を覚えるかもしれません。
そんな不満を感じるのであれば、クロスカントリーではなく通常のEX30を選べばいい話です。しかし、そうなると「機能面や走行性能でRWDのクロスカントリーを買うメリットはどこにあるのか?」という疑問が生まれるかもしれません。
そんな疑問に対しても「メリットがある」と自信を持って言えると思えたのが市街地での試乗でした。

ソフトなサスペンションは凹凸の多い市街地で角が取れたあたりを見せてくれて、多くの人が試乗を始めてスグに「このクルマ乗り心地イイね」と思えるものがありました。また、パワステはダルなセットアップですが、操作感も軽いため通常モデルよりも取り回しがしやすい仕様となっています。
クロスカントリーの名に則した機能性や性能を実現するためのハードウェア&ソフトウェアの変更が施されているのですが、それが良い意味で街乗りにも効果を与えているのです。
乗り心地や取り回しのしやすいステアリングなどはシティユースが中心ならば、決してハードにアウトドアをしなくてもハマる人にはハマる。RWDのクロスカントリーはそんな仕様になっている1台です。
Writer: 西川昇吾
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。


















































































