「移動の乗り物」脱却なるか 新型車はMT車の設定増え復活の兆し? 新社会人男性7割はMT免許
クルマ好きのベテランがMT車を乗り続ける理由とは
MT車をこよなく愛す昭和の“おじさん”は、なぜMT車に乗り続けるのでしょうか。自動車整備業を営む業界歴30年の整備士の方にうかがってみました。
──なぜ、MT車に乗り続けるのでしょうか。
ありきたりではありますが、自分でシフトチェンジやクラッチ操作などをして走ることで、スポーティ感や人馬一体といった感覚が気持ちがいいという事があげられます。
また、AT車と比べると15kgから20kg程軽量化できることや、自分の腕や乗り方によっては燃費をよくすることができるのも魅力の一つです。
──MT車を選択するうえでこだわりはありますか。
過去にはホンダ「S2000」やシボレー「コルベット」などに乗ってきましたが、いいと思うMT車ということであればポルシェ全般になってしまいます。しかし、好きという意味であればBMW全般のシフトフィーリングがいいと感じます。
個人的な意見になりますが、BMWのシフトフィーリングはちょっと癖があると言いますか「やっぱりBMWだよね!」というような方向性の味付けをしてきているので好みです。
BMWのシフトレバーのストロークは他車種のものと違い、少し長くなっています。一般的には野暮ったいシフトフィーリングといわれていますが、長く乗っているとBMWが考えていることがなんとなく分かってきて「こういうことか!」となる瞬間があります。BMWのMT車が好きという人に出会うと、話が盛り上がりますね。
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近年、国産自動車メーカーのMT車はコンパクトカー、軽自動車の一部でラインナップをしています。ほかには、スポーツカーや商用車、輸入車でもスポーツカーが中心です。なかには、マツダのようにほぼすべてのモデルにMTグレードを設けているメーカーも存在しますが、そういったメーカーは稀であり、現在では大型トラックやバスもAT化が進んでいます。
一方でトヨタ「カローラスポーツ」やマツダ「CX-5」にMT車が新たに設定されるなど、一定のニーズがあるのも確かです。
最近では、クルマの愉しさを再燃させると、国産自動車メーカーもスポーツモデルのラインアップを増やしています。そしてスポーツモデルだけではなくMTを設定するモデルも、徐々にですが増えているようです。
便利になる一方で、クルマはただの移動手段という存在になっています。新車ならMT車を選べる選択肢が増えたいま、クルマを操作し運転する喜びを感じてみてはいかがでしょうか。これまでただの移動の手段だったクルマが趣味や楽しみに変わるかもしれません。
【了】