マツダが次世代車で大改革? 先行で「アクセラ」は新型へ、「アテンザ」が型遅れになる理由とは
世界販売を牽引する「アクセラ」は優先、アテンザは後輪駆動へ?
直近の2018年度上半期(2018年4~9月)におけるマツダの国内登録台数を見ると、1位が「デミオ」(1か月平均で3679台)、2位は「CX-5」(同2821台)、3位は「CX-8」(同2341台)、4位は「CX-3」(同1343台)、5位は「アクセラ」(同1304台)と続きます。アテンザはさらに台数が少ないです。
世界生産台数では、CX-5とアクセラが圧倒的に多く、CX-3、デミオ、アテンザは、ほぼ同等で1位、2位のCX-5とアクセラに比べるとかなり少ない状況です。
つまり海外も含めた世界的な売れ行きに重点を置くと、CX-5とアクセラは、ほかの車種に比べてフルモデルチェンジを受けやすいです。そうなるとアクセラが新しいプラットフォームの次世代スカイアクティブを使って先に一新され、販売が低迷するアテンザは後まわしになることは十分に考えられます。
それからもうひとつの要素として、アテンザが後輪駆動(フロントエンジン・リアドライブ)になる可能性も指摘されています。マツダの魂動デザインとスカイアクティブ技術は今後新しい段階に入りますが、基本路線は変わりません。野性動物のチーターをモチーフにしたボディスタイル、人馬一体の運転感覚を追求すれば、駆動方式は後輪駆動が理想的です。
今までのマツダの開発者の商品説明を聞いても、現在の前輪駆動を不自然に感じることが多かったです。アテンザのようなミドルサイズ以上のマツダ車が、後輪駆動になる可能性は十分に高いでしょう。
後輪駆動の欠点として空間効率がありますが、後席のセンタートンネル、デファレンシャルギアの荷室への干渉などを許容できれば、実用面で支障はありません。メルセデス・ベンツ「Cクラス」やBMW「3シリーズ」を見れば分かるように、セダンやワゴンであれば後輪駆動との相性も良いです。
アテンザを後輪駆動に変革させるために、フルモデルチェンジを先送りしているという見方も成り立つでしょう。
【了】
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。