あと2年で!? 2027年に自動車整備士制度が改正! キーワードは「電動車」どう変わる?【PR】

自動車整備士の資格制度が、2027(令和9)年1月に大きく改正されます。この改正は、自動車技術の急速な進化に対応し、より高度な知識と技術を持つ整備士を育成することを目的としています。記事では改正の背景、具体的な変更点、そして今後の展望について詳しく解説します。

【この記事のポイント】
・自動車整備士の資格について
・自動車整備士が抱える社会問題
・高度化する自動車整備技術
・大きな制度変更が2027(令和9)年に
・これからも求められる自動車整備士の資格
・自動車整備士の資格は専門学校で学びながら取得も

目次

自動車整備士の制度が改正される 具体的にはここが変わります!

 自動車整備士資格は、試験を経て取得できる国家資格です。

 1級から3級まで分かれており、そこからさらに級の中で分野ごとに3から4種類に分類されています。

新制度が始まる整備士資格について徹底解説します!

 この自動車整備士の制度ですが、2027(令和9)年1月に制度改正が実施されるのはご存じですか?

 順次施行されているものもありますが、この改正で自動車整備士はどのように変わるのでしょうか。

 制度の変更点を挙げる前に、自動車整備士の現状と課題を説明します。

自動車整備士は不足している…

 自動車整備士に関する課題として、まず挙げられるのは人材不足です。

 各メディアでも報道されているように、自動車整備士の人手不足は深刻な問題となっています。

 その原因は「少子化」「職業選択の多様化」「若者のクルマ離れ」「自動車技術の発達による整備項目の増加・複雑化」などが考えられます。

整備士が不足している現在、クルマが好きで整備に興味のある君はチャンス!

 そこで国土交通省は自動車整備士の人材不足に関する勉強会を立ち上げ、対策に乗り出しました。

 他にも、自動車業界では2014年、各種自動車関連団体で構成する「自動車整備人材確保・育成推進協議会」を発足させ、国土交通省と協力してPR活動などを行っています。

 また、各企業でも待遇や労働環境の改善など働きやすい職場づくりに力を入れる動きが増えています。

技術革新で自動車技術の高度化・複雑化という問題がある

 そして、自動車整備士の課題として語られるもう一つの要因が自動車技術の高度化・複雑化です。

 近年、自動車の先進技術は著しい発達をしており、高度な整備技術を要するクルマも身近になってきました。

電動車の台頭により高度化する整備技術という課題がある

 車線維持を支援するレーンキープアシスト(LKA)、車間距離を一定に保ちながら走行するアダプティブクルーズコントロール(ACC)、障害や追突の危険性がある場合に警報音やブレーキ動作などで被害を回避または軽減させる衝突被害軽減ブレーキ(AEB)、または駐車支援システムなどで、すでにそういった技術を利用している人も少なくないでしょう。

 また、先進技術だけではなく新たな動力を用いたハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)などが今後さらに普及していけば、自動車整備士に求められる整備スキルや知識も今までより高度に、複雑なものになっていきます。

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制度改正の狙いは「高度化する技術への対応」など

 国土交通省が発表した「自動車整備士資格制度等の見直しについて」によると、今回の制度の見直しは自動車の変化・自動車技術の進展に伴う対応、自動車整備事業に起因する対応によるものとしています。

自動車整備士は「クルマのお医者さん」と表現されることがある。これまでもこれからも、必要不可欠な存在だ

 また、自動車整備士の人材不足への対策として「自動車整備士の魅力を向上する対応の観点も加味して検討を行う」としています。

4種類が2種類に! 自動車整備士資格の区分が変更に

 制度改正の大きな変更点の一つとして、自動車整備士資格の種類の変化があります。

 級の区分はそのままに、種類の分類がシンプルになりました。

 この変更が新たに資格取得を目指す受験者や自動車業界にどのような変化をもたらすのでしょうか。

 次の項では制度改正の主な変更点について説明します。

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制度改正でどこが変わる? 新制度と現行制度の違い

 それでは制度改正によって、どのように変わるのでしょうか?

 今回の制度改正は資格の体系、試験に関するものが主な変更点となっています。

1.級の構成は変わらず 種類を「総合」「二輪」に変更へ

 現行の制度では自動車整備士の資格は3級から始まり、2級、最上位である1級、特殊に分かれ、級ごとに「ガソリン」「ジーゼル」「シャシ」「二輪」という区分になっています。
(1級は「大型」「小型」「二輪」ですが、現在までに1級大型と1級二輪の試験は実施されていません)

 制度改正により級の構成は変わらないものの、級ごとの区分が「総合」と「二輪」という2種類に変更となります。

 特殊に関しては、自動車タイヤ整備士はタイヤの整備に電子制御装置に関する整備がないことから見直しはないですが、自動車電気装置整備士は「自動車電気・電子制御装置整備士」に、自動車車体整備士は「自動車車体・電子制御装置整備士」に変更となります。

昨今の自動車は電子機器が多用されており、整備する側も知識が求められる

 現在は1級にのみ求められてきた電子制御装置にかかわる知識・技能が、新たに2級でも必要とされます。

 3級自動車整備士・総合は、1級または2級の自動車整備士の指示のもとで整備を行うために電子制御装置に係る知識・技能は求めません。

 また、現行制度の2級自動車シャシ整備士の役割を引き継ぐ処置として、自動車車体・電子制御装置整備士は一定の講習を修了した場合、原動機を除く事業場に限り整備主任者になることが可能になります。

2.受験資格で必要な実務経験に関する変更

 現在施行されている制度では、大学や専門学校・高等学校などにおいて機械系の教育課程を修了した受験生は、2級・3級・特殊の受験資格条件である実務経験が短縮されていました。

 今回の見直しで、電子制御装置の技能と知識が求められるようになったために、電気・電子系の教育課程を修了した受験者も機械系の学生と同様に実務経験が短縮されるようになりました。

 なお、こちらの改正は公布された2022(令和4)年5月25日時点で施行されています。

 また、現在は自動車電気装置整備士の受験資格として、電子制御装置の整備作業が実務経験と認められる整備作業となっていますが、新制度では自動車電気・電子制御装置整備士と自動車車体・電子制御装置整備士の実務経験に含まれます。

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3.1級整備士試験の口述試験を廃止

 1級整備士試験は筆記試験と口述試験からなる学科試験と実技試験で構成されています。

 その中で口述試験は形骸化が指摘されていたことから、新制度では学科試験の範囲内で行う口述試験を廃止して、ユーザーとの対話スキルを確認する内容を実技試験に含める変更を行うという決定がされました。

1級整備士試験での口述試験は廃止となり、より実務に近い内容で実技試験に組み込まれることに

 そのような中で、新制度になって資格の体系が変わると現在専門学校などの養成施設で学んでいる場合はどうなってしまうのかという疑問が出てきます。

 基本的には「新制度の養成課程を修了した者は新制度の試験を受験し、現行制度の養成課程を修了した者は現行制度の試験を受験する」ことが基本となります。

 ただ、新制度施行から2年後には、現行制度の養成課程を修了して実技試験の免除が受けられなくなるため、現行制度の試験を行わない予定です。

 もし、現行制度の養成課程を修了した受験生が現行制度の試験に合格しなかった場合は新制度の試験が受けられる救済処置があるようです。
(引用:自動車整備士資格制度等の見直しについて

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専門的な知識がより求められる今 専門学校で学ぶことが重要に

 自動車技術の進歩は目覚ましく、運転や安全をサポートする機能が増えるごとに自動車の仕組みは複雑化していきます。

 経済産業省が発表した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、乗用車は2035年までに新車販売で電動車100%の実現を目標にしており、新たな動力を用いた自動車はさらに普及していくことでしょう。

電動車とは電気自動車(EV)はもちろんハイブリッドカー(HV)や燃料電池自動車(FCV)も含まれる

 そうなっていくと、新たな技術に対応できる自動車整備士のニーズが今後さらに高まることは確実です。制度改正で資格の構成が変わり、2級資格にも電子制御装置に関する技術と知識が求められることになりました。

 自動車整備士の転換点とも言える今、専門学校などの養成施設で学ぶことがより確実でより有利な方法になっていきます。学校で学ぶことの大きなメリットは、資格取得のための蓄積されたノウハウと充実した実習環境です。

 新しい時代の自動車整備士を目指す人に、専門学校などの養成施設で学ぶことをおすすめします。

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