日本最高峰のレース「スーパーGT」の2019年最終戦に密着! 2台のModuloマシンはどんな戦いぶりを見せたのか?【PR】

決勝を迎えた2台のModuloマシン! はたして挽回できるのか!?

 迎えた決勝レース。最終戦にふさわしく、上空は美しい青空に恵まれました。11月とは思えないほど日差しは暖かく、また訪れた3万5000人ものファンの熱気もあって、ピットウォークやグリッドウォークでは汗ばむほど。

 そして最終戦の恒例となった、栃木県警の白バイとパトカーの先導走行を経て、決勝レースがスタートしました。

スーパーGT2019年第8戦の決勝を走る「64号車Modulo Epson NSX-GT」(写真手前)

 今回の第8戦は、シリーズ中もっともレース距離の短い250km(53周)で争われます。シリーズチャンピオン争いも白熱しているため、スタート直後から激しいトップ争いが繰り広げられます。

 そんななか、64号車Modulo Epson NSX-GTをドライブするナレイン・カーティケヤン選手はペースが上がらず、順位を下げていってしまいます。どうやらタイヤグリップが思うように得られない様子でした。

 スタート前は暖かさを感じるほどだった気温が、午後になると冷たい風が吹くなど下がってきたことも影響しているのかもしれません。

 そしてナレイン選手は18周目終わりにピットイン。タイヤ交換と牧野選手へのドライバーチェンジをおこないます。この時点での順位は13位。フレッシュタイヤでの巻き返しに期待がかかりましたが、症状は変わらず、牧野選手もペースが上がりません。

 結局、残り15周という時点でもう一度タイヤ交換をおこない、ライバルマシンのリタイアもあって12位でチェッカーフラッグを受けました。

「64号車Modulo Epson NSX-GT」(写真左)と「34号車Modulo KENWOOD NSX GT3」(写真右)

 GT300クラスの34号車Modulo KENWOOD NSX GT3も、前日から予想されていたタイヤのピックアップに苦しむレースとなってしまいました。

 スタートドライバーを務めたのは道上選手。チームの作戦としては、前半の道上選手が最低義務周回数である15周を走り切り、後半の大津選手がハードタイヤで走りきるという予定でしたが、想定していたよりもスタート後のタイヤ摩耗が進んでしまい、道上選手は7周目終わりという早いタイミングでピットイン。タイヤを前後とも4輪交換します。

 しかしまだ走行周回数が少ないため、この時点でドライバー交代はおこなうことができず、そのままピットアウト。その後に大津選手へとドライバー交代をおこないましたが、気温と路面温度がともに下がっていったこともあり、苦しいレースとなってしまいました。

 それでも大津選手はマシンをゴールまで運び、24位でチェッカーフラッグを受けました。

 GT500クラスの64号車Modulo Epson NSX-GTは、マシンのカラーリングやドライバー・ラインナップも一新されて迎えたシーズンながら、1度の2位表彰台を達成し、シリーズランキングは12位となりました。

 中嶋総監督、ナレイン選手、牧野選手をはじめチーム全員にとって満足のいくシーズンではなかったかもしれませんが、シリーズ8戦すべてで完走しポイントを勝ち取ったことは誇らしい結果といえるのではないでしょうか。来シーズンは、チームにとって2017年以来となる優勝にも期待がかかります。

 そして参戦2年目を迎えた34号車Modulo KENWOOD NSX GT3は、目標であった初優勝は成し遂げられなかったものの、一度の3位表彰台を獲得。

 2019年シーズンからEvoキットを装着し、とくにリアのスタビリティ(安定性)が高まったマシンの戦闘力に大きな期待を抱いていただけに、レース後のインタビューでは悔しさを見せていました。

 今回の最終戦のように、シーズンを通じてグリップ不足に悩まされるレースもありましたが、チーム代表も兼任する道上選手やチョン監督は「タイヤだけの問題ではなく、マシンのセットアップも考える必要がある」と語っています。

 34号車Modulo KENWOOD NSX GT3で2019年のGT300に参戦したModulo Drago CORSEは、チームワークの良さではスーパーGT参戦チームのなかでも随一と多くのメディアが口を揃え、またファンも多いことから、2020年シーズンのさらなる飛躍に期待したいところです。

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