全長わずか3.3m! 斬新“卵型”採用の「超スモールカー」が存在!? 小さすぎるのに4人乗れるスバル「R1」がスゴかった!
かつてスバルは軽自動車を自社生産していましたが、当時個性的なモデルのひとつに「R1」がありました。一体どのようなモデルだったのでしょうか。
超コンパクトなのに4人乗れる! 「R1」ってどんなモデル?
現在、自社製の軽自動車を製造していないスバルですが、かつてはさまざまな軽を手掛けていました。
そして、スバルの軽のなかでもひときわ個性的だったのが、「R1(アールワン)」です。
R1は2005年1月4日に発売された、2名乗車が基本の「スーパースモールカー」。小さいながらも後席が設けられており、4人が乗車することが可能です。
2005年当時、軽自動車市場で中心となっていたのはハイト系ワゴンでしたが、スバルは軽自動車の規格よりも小ぶりな全長3285mm×全幅1475mm×全高1510mmという、パーソナルユース向けのR1を発売して注目を集めました。
パワーユニットには660cc直列4気筒 DOHCエンジンを搭載。低燃費で機敏な走りが可能なほか、軽自動車としては珍しい4気筒を採用することで3気筒より静粛性を高めつつ、AVCS(可変バルブタイミング)によって力強さも感じられました。
トランスミッションはi-CVT(フル電子制御自動無断変速機)を搭載。変速ショックがなく、滑らかでスムーズな加速が可能で、登坂制御も磨かれており坂道でも余裕が感じられます。
この直列4気筒DOHCエンジンとi-CVTの組み合わせで、10・15モード燃費で24km/Lという低燃費を実現しました。
また、スーパーチャージャー搭載グレードが後から追加され、パワフルな走りを楽しめます。
R1のエクステリアは滑らかなシルエットが特徴で、かわいらしさとスタイリッシュさが魅力ですが、これはデザイン性のみならず、耐衝撃性も考慮したもの。
軽量な車体でも衝撃に強くするため、「ワンモーションフォルム」という卵のような形が採用され、衝突した際の衝撃を効率よく吸収し分散します。
また、軽量ながら強度を高める「新環状力骨構造ボディ」によってフレーム位置などが工夫されていることにより、前・横・後といったあらゆる方向からの衝撃に対して、優れた衝突安全性能が発揮できるよう計算されました。
車体の安全だけではなく、フロントフードとエンジンの間にクリアランスを確保したり、ワイパー取付部やフードビンジなどに衝撃吸収構造を採用したりすることで、歩行者への衝撃軽減も図られています。
フロントシートは高剛性のヘッドレストとステー、両側ヒンジで剛性を高めた大型バックレストを採用することで、バックで衝撃を受けた際に過度の後傾を防ぎ、事故による外傷で多くの割合を占める頸部の損傷を防止します。
小さなクルマは安全面で不安を感じる人がいるかもしれませんが、R1にはほかにも丈夫なシートや各種エアバッグ、高性能ブレーキなどが備わっており、安全にこだわった作りを特徴としていました。
R1の左右ドアはドアヒンジが前に傾いており、上の開口スペースを広くとることで乗り降りしやすいよう配慮。
助手席はシートバックが中折れ式で、背面をテーブルスペースとして活用することもでき、また、リアラゲッジデッキと同じ高さに設定されているので、長いものも積載可能です。
なお、車名に付いている「R」はスバルのミニカーを表す記号とされており、R1のほかに「R2(アールツー)」という軽自動車も存在。
このR2はR1より約1年早い2003年12月8日から販売され、1969年に発表されたミニカー「R-2」の名前を用いるなど、スバルのものづくりへの想いが込められていました。
R1とR2は、ワンモーションフォルムや燃費など、同じところが多々ある一方、異なる部分もあります。
まずボディサイズが異なり、R2は全長3395mm×全幅1475mm×全高1520mmと、R1より全長が110mm、全幅が10mm大きく設定。ホイールベースもR1の2195mmに対して、R2は2360mmと165mm長くなっています。
そして、ドア数はR1が3ドア、R2が5ドアで、後席ドアを備えたR2の方がリアシートへアクセスしやすくなっており、3名以上の乗車が多いのであればR2が使いやすいでしょう。
R2をよりコンパクトにしてパーソナルカーとしてのスペシャリティを高めたのがR1と表現するのが良いかもしれません。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。