灼熱の“真夏の道路”でクルマの「タイヤ」は溶ける? ゴムは「高温の影響」を受けないの?「気になる疑問」をタイヤメーカーに聞いた
夏の道路の路面は非常に高温になりますが、そこに常に接している「クルマのタイヤ」は熱によって溶けることは無いのでしょうか。国産タイヤメーカーに話を聞きました。
高熱の路面で「タイヤ」は溶けないの?
気温が上昇し暑くなる夏には、道路の路面も同様に高温になります。
その熱さは「アスファルト上に落とした卵が目玉焼きになった」という実験動画も存在するほどで、いかに路面が高熱を発しているのかが分かります。
そこで気になるのが、高温の路面に常に接している「クルマのタイヤ」のこと。
タイヤはゴムで出来ていますが、道路の熱によって溶けてしまうことは無いのでしょうか。
大手国産タイヤメーカー「ブリヂストン」の担当者に「夏の路面の熱でタイヤは溶けないのか?」と疑問を投げかけてみたところ、以下の回答がありました。
「一般的にゴムは、温度が高くなるにつれて柔らかくなる傾向にありますが、『溶ける』を『個体』から『液体』に変化することと考えると、ゴムの主成分であるポリマー自体は液体には変化しないので、厳密には溶けることはありません。
例えば、サーキット走行時にはタイヤの表面が熱でベトベトになるので、ゴムが溶けているように見えますが、実はこれは溶けているのではなく、ゴムに配合されているオイルなどが表面に析出している状態なのです」
このように、タイヤが柔らかくなることはあったとしても、路面の熱によって溶けることはないとのことです。
さらに、盛夏における「タイヤのメンテナンス」についても聞いたところ、以下のようなアドバイスがありました。
「夏場や温度に限らず、大切なのは日常点検です。
タイヤは使用、管理(整備)が適正な状態で使用されたときに初めて、自動車の走行装置としての役目を正しく果たします。
逆にそれらが不適切だった場合は、タイヤの機能が低下するばかりでなく、損傷を起こす原因になります。
そのためタイヤの使用者は、走行時の安全を確保するために、必ず日常点検・整備を行ってください」(大手国産タイヤメーカーの担当者)
また、このタイヤの日常点検の際にポイントとなるのは、「空気圧は適正か」「ミゾは充分に残っているか」「偏摩耗していないか」「キズはないか」「ひび割れしていないか」「サイド部が膨らんでいないか」の6点とのこと。
このように、タイヤが路面の熱で異常をきたすことは無いものの、タイヤのトラブルを避けるためには季節を問わず、上記の点検をこまめに行うことが大切です。
せっかくタイヤを確認するんだったら、
その取付状態 (留めボルト、あるいはナットの締付状態)
の確認もした方が良いと思います。