街に溢れるトヨタ「アルファード」どうやって買うの? “500万円以上”の高級ミニバン! 年収いくらあれば良い?ファイナンシャルプランナーが解説

トヨタ「アルファード」といえば高級ミニバンとして知られています。しかし街中で見る機会は多いですが、みんなどのようにして買っているのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの資格を持つ筆者が解説します。

アルヴェルのオーナーになるにはいくらの年収が必要?

 国産車でも高価格帯のトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」は、2023年6月に「快適な移動の幸せ」をコンセプトとした新型モデルが発売されました。
 
 このクルマは、どんな人が、どのような方法で手に入れているのでしょうか。

トヨタ「ヴェルファイア」を購入できる人とは? ファイナンシャルプランナーの資格を持つ筆者が解説
トヨタ「ヴェルファイア」を購入できる人とは? ファイナンシャルプランナーの資格を持つ筆者が解説

 高級ミニバンの代名詞、トヨタのアルファード/ヴェルファイア。

 車両価格は、アルファードが540万円~872万円、ヴェルファイアが655万円~892万円です。

 新車の一般的な購入目安は「年収の半分程度」であり、アル/ヴェルを新車で購入するには最低でも年収1080万円~1310万円ほど必要です。

 国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、令和4年度における日本の平均年収は458 万円。余裕をもって購入できる人は少ないものの、実際は購入者の約半数が20代~30代で、子育て世代が多いようです。

 リセールバリューが高いクルマもあるアル/ヴェルは、売却代金を頭金に回して乗り換える人もいます。

 たとえば、下取り車が200万円ほどで540万円の新車に乗り換える場合、差額は340万円。新車の購入目安ルールで考えた場合、年収は680万円ほど必要です。

実際はローンなど、別の方法を活用している方が多いでしょう。

 アルヴェルを手に入れる方法にはマイカーローンやカーリースの利用などがあり、なかでも手軽なのは残価設定ローンやサブスクサービスの利用です。

 マイカーローンとは、購入費用の全額もしくは一部を借りる方法で、銀行系ローン・ディーラーローン・自社ローンがあります。

 銀行や信用金庫による銀行系ローンは、購入費用の全額を負担する場合に利用し、金利相場は約1~4%です。車検や修理、免許の取得にも利用できますが、審査が厳しく結果が出るまでに時間が必要です。

 ディーラーによるディーラーローンは、フルローンと残価設定ローンがあり、審査に通りやすく手続きもスムーズに行なえます。

 フルローンは購入費用の全額を借りられ、頭金なしでクルマの所有者になれます。金利相場は約3%~10%です。

 一方、残価設定ローンは車両価格の一部を残価(契約期間終了時の車両価値)で設定し、残りの金額を月々支払います。金利相場は約3%~5%です。多額の現金がいらず月々の支払いを抑えられますが、クルマの所有者はディーラーやローン会社です。

 また、返却時の条件が決められており、クルマの状態や走行距離などによっては清算金がかかります。しかし、基本的には乗り換えや返却での支払いは不要で、残額を支払えば買い取りも可能です。

 自社ローンは主に中古車販売店で行なっており、独自の基準で審査に通りやすい特徴があります。金利なしで利用できる分、割高な保証料や手数料などが必要です。

 なお、金利には返済額が変わらない固定金利と、景気で変わる変動金利があります。金利は変動金利のほうが低めです。

 ここで、車両価格540万円のアルファードZを新車で購入した場合の、支払い額や年収の目安を見てみましょう。

 「頭金なし・5年返済・ボーナス返済なし」と仮定すると、銀行系ローンで金利3.8%のとき、月々の支払い額は約9~10万円です。一方、フルローンで利率4.9%とすると約10万円、残価設定ローンで手数料率4.9%とすると約6万円です。

 ローンの一般的な返済比率は「年収の25~35%以下」。ローンの返済比率を年収25%に抑える場合、銀行系ローンやフルローンを利用するなら年収480万円、残価設定ローンを利用するなら年収290万円ほどあれば可能な範囲でしょう。

 また「頭金100万」にした場合は、銀行系ローンやフルローンの月々の支払額は約8万円で、年収390万円ほど必要です。残価設定ローンでは約4万円で、年収200万円ほどあれば購入できます。

 もっとも支払い額を抑えられるマイカーローンは、残価設定ローンです。ただし、下取りや頭金の有無などでも支払額は変動し、さらにクルマの購入には車検や税金などもかかります。

 追加でかかる費用を抑えたい人におすすめなのが、自動車メーカーが運営するサブスクサービスです。走行距離に制限があったり、自動車保険のみ別契約が必要な場合もあったりしますが、税金や車検の負担なしで乗れます。

 トヨタが運営するサブスクサービス「KINTO」では、ボーナス払いなしのプランでアルファードが5年契約/月額8万0630円(税込)、7年契約/7万7990円です。

 ヴェルファイアは5年契約/9万4270円、7年契約/9万1300円で利用できます。(2024年3月時点)

 サブスクサービス費用をローンの返済比率と同等に捉えるなら、年収25%に抑えるにはアルファードが年収390万円、ヴェルファイアが年収480万円ほど必要です。

 加えて、維持費がかからないサブスクサービスは、マイカーローンより費用を抑えられる可能性があります。

 また、似ているサービスに、自動車メーカー以外が運営するカーリースがあります。カーリースは、プランによっては車検代やメンテナンス費用が別途必要です。

 手軽にアル/ヴェルを手に入れる方法は、残価設定ローンやサブスクサービスの利用です。そのほかの方法は、車検やメンテナンス費用、税金などがかかる可能性を加味して検討しましょう。

※ ※ ※

 20~30代の子育て世代にも人気のアルヴェルは、新車で購入するには最低でも年収1080万円ほど必要です。

 手軽にオーナーになる方法には、残価設定ローンやサブスクサービスの利用があります。

 残価設定ローンは「頭金なし・5年返済・ボーナス返済なし」と仮定すると、月々約6万円の支払いになり、年収300万円あれば可能な範囲です。

 サブスクサービスは年収400万円~480万円ほどあれば可能で、維持費がかからないためさらに費用を抑えられるかもしれません。

 アルヴェルを手に入れる方法はさまざまであるため、収入や金銭状況、家族構成やクルマの使い方に合わせて検討してください。

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3件のコメント

  1. 格差社会で、持たざるものと持てるものの差がでかくなりすぎた

    • アルベルに乗ってる人、若者に多いようですけど

  2. 残価設定ローンにすると、5年経過後がけっこう大変。5年ごとにきちんと代替するならまだましだが、いつまでもローンを払い続ける無限ループにハマっていく。
    残価部分の再ローンも組めるけど、残価が高いだけに月額がかなり高くなってしまうので注意が必要だ。

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