なぜスチールホイールを「鉄チン」と呼ぶ? 鉄製だけど…「チン」はどこから来たの? 半世紀以上さかのぼる「有力な起源」とは

鉄製の「スチールホイール」は、一部のユーザーからは「鉄チン」と呼ばれることがありますが、その由来は一体どこにあるのでしょうか。

「アルミホイール」と共に多くのクルマに使用されている「スチールホイール」は、安価で見た目がシンプルなのが特徴。
 
 基本的に、アルミホイールよりもデザイン性は乏しいものの、一方で「そこがいい」というファンも存在します。
 
 そんなスチールホイールは「鉄チン」と呼ばれることも多くありますが、一体なぜ鉄チンと呼ばれているのでしょうか。

「鉄チン」と呼ばれるスチールホイール
「鉄チン」と呼ばれるスチールホイール

 まずは、「いつから鉄チンと呼ばれているのか」について確認します。

 大手タイヤ専門店に勤めるスタッフに話を聞いてみたところ、「いつからというのは定かではありませんが、私が業界に入った1990年代初頭にはすでに鉄チンと呼ばれていたので、それ以前から呼ばれていたのだと思います」とのこと。

 さらに時代を遡るため、若いころに初代セリカやギャランGTOで走り回っていたという、70代の男性数人にもヒアリングすると、「1970年代にはすでに鉄チンと呼ばれていた」ということでした。

 さらに「自分の父親も鉄チンと呼んでいた」という話もあり、もしかすると1970年以前にも鉄チンという呼び方が存在した可能性があります。

 いずれにしても、半世紀以上前からスチールホイールを鉄チンと呼ぶ文化はあったようです。

 さて、“鉄チン”と呼ばれている理由については、様々な説があります。その中でも興味深いのが「鉄砧(てっちん)が由来」という説。

 鉄砧とは、金属を加工する際に使用する“砧”(きぬた:槌や棒で叩いて加工する際に使う台)のことです。スチールホイールがこの鉄砧に似ているために、いつの間にか鉄チンというあだ名がつき、現在に至る――。

 もっともらしい説ですが、実際に鉄砧を見てみたところ、スチールホイールとそこまで似ていないようにも思えます。

 とはいえ、現状ではそれ以上に有力な説は見当たりません。親しみを込めて鉄を表現した際に、最も語感の良いものとして「チン」が採用されたという「文化的背景」な説もあったりと、奥が深い言葉です。

 とはいうものの、残念ながら、最近では鉄チンと呼ぶこと自体が少なくなってきています。そのうち「懐かしのクルマ用語」になってしまう日が来るのかもしれません。

【画像】「えっ…!」 これが「鉄チン」の由来と言われる「鉄砧(てっちん)」です!(12枚)

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3件のコメント

  1. 「鉄砧」説は面白いと思うが、要は「カナトコ」であり、形状的にも全く似て居ないので単に語感からの流れでの説と思う。自分はとある地域の出身だが、東京に来る迄この単語を聞いた事が無かった。ちなみに小生は「がんてつ」と教えられたが、WEBで検索してもこの単語は出て来ない(ラーメンはたくさん出て来るが….)。地域性が有るのではないかと思う。

  2. 6枚目はフェラーリだから跳ね馬は当たり前。このホイールの特徴はデザインが馬の蹄につける蹄鉄になっていることです。ここを強調しないとね。

  3. 鉄チンは、アルミホイールと比べて、鉄製で陳腐に見える。の略と思っていました。ちなみに一部の仲間はガン鉄(頑丈な鉄製)とも言ってました。

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