日産は2024年1月12日から3日間開催されたカスタムカーイベント「東京オートサロン2024」にブース出展を行いました。
　
　同ブースでは、すでに新車販売を終えているコンパクトカー「マーチ」を新車に近いレベルでリフレッシュさせ、独自のカスタムを施したコンセプトカー「MARCH Patissier CONCEPT（マーチ パティシエ コンセプト）」も展示されました。

　マーチは1982年に登場したベーシックコンパクトカーで、4世代に渡って日産の主力モデルとしてラインナップされていました。

　車種整理などを理由として2022年8月に生産を終了しており、現在は新車として購入できませんが、マーチ パティシエ コンセプトは中古車のマーチを再生させたうえ、さらにカスタムを施しました。

　日産では前回の「東京オートサロン2023」で、マーチ同様に生産終了しているコンパクトカー「キューブ」の中古車をベースにカスタムした「キューブ リフレッシュ＆レトロ コンセプト」を展示しています。

　このとき来場者からは市販化を求める声をはじめ、多くの反響が寄せられたといい、それを受けてマーチ パティシエ コンセプトが登場しました。

　日産の担当者はマーチ パティシエ コンセプトについて、以下のように話しています。

「新車価格が高騰する現在、中古車のニーズは高まっていますが、コロナウイルスの感染拡大によって新車が製造できないなかで、中古車の価値がさらに高まりました。

　新車に力を入れることは当然として、中古車にもフォーカスを当てようとなった際、日産では生産終了したモデルでも補修部品を多く用意しているという強みがあります。

　中古車で汚れた部分を交換するということに加え、カスタムをしてどこまで付加価値をつけられるかを検証するという意味も持たせています」

　コンセプトは「夢を追う若者のライフスタイルに寄り添うクルマ」。そのひとつの表現として、これまでクルマとのコラボがあまりなかった「パティシエ（菓子職人・ケーキ職人）」をテーマとしました。

　徳島県阿南市でスイーツショップ「UZUKI sweets shop」の代表を務める若手パティシエール 高橋 初姫氏を主人公・アドバイザーに迎え、高橋氏が「第2のお店」として仕事でクルマを使うシーンを想定し、デザインや機能アイテムを盛り込んでいます。

　使用車両は約8万7000km走行の2016年式「マーチ XVセレクション」で、ボディカラーは「ブリリアントホワイトパール」です。

　中古車であることから各部の汚れや傷が生じていたため、エクステリアではヘッドライトやバンパー、ガラス、インテリアではステアリングやパワーウインドウなどのスイッチ類、トリムなどを新品の純正補修部品に交換。新車のようにリフレッシュしました。

　また、高橋氏の店舗からインスピレーションを受け、内外装の随所にピスタチオグリーンとゴールドのアクセントカラーやウッドをあしらっています。

　エクステリアのカスタムとしては、前後で色使いを変更したホイールキャップや、前後ホイールアーチと前後ドア周辺のグレーアクセント、ミラーカバー端部のゴールドアクセントなども高橋氏のこだわりだといいます。

　さらに、特殊な形状が人気を博すチョコレート菓子をモチーフにしたフロントグリルや、リアドアやテールゲートに木目風デカールを装着。レトロ感も表現しました。

　ラゲッジスペースはウッドフロアとしたほか、2023年9月に日産から発売された「ポータブルバッテリー from LEAF」から電源が供給される冷蔵庫を搭載。マルシェとして使用する際は引き出して使えるようにレールを組み込んでいます。

　リアドアサイドには脱着可能な黒板と屋根にルーフラックを装着することで、メニューや店の看板も設置できるようにカスタムされました。

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　第1弾のキューブ同様、会場では多くの来場者からの注目を受けたようで、今後もこうした中古車ベースのリフレッシュカスタムが続いていくこともあるかもしれません。

　なお、市販化については現時点で未定のようですが、会場での反響次第で実現する可能性も検討しているということから、中古車販売とカスタムがパッケージ化された商品として登場する可能性もあります。