関東大震災から100年目の「防災の日」 改めて考える災害時の備えとは? 仮の住まい「車中泊」の注意点

災害時には「車中泊」をせざるを得ない場合も…気をつけるべきことは?

 誰でも手軽に非日常感を味わえるアクティビティとして、多くのユーザーの注目を集めているのが「車中泊」です。

 近年では車中泊専用施設も登場しており、その勢いはさらに加速しています。

 一方、車中泊は必ずしもレジャー目的だけで行われるわけではありません。

 たとえば、地震や台風といった自然災害によって自宅が損壊した場合など、やむを得ず車中泊をせざるを得ない場合があります。

 大規模災害の場合では、地域の公共施設などが避難所として設定されることもありますが、プライバシーや防犯上の問題から、自家用車での寝泊まりを行うユーザーも少なくないと言います。

 実際、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震でも、多くのユーザーが自家用車で寝泊まりをする様子が見られました。

 ただ、ほとんどのクルマは車中泊を前提に設計されているわけではないため、自家用車を「避難所」とすることには多くの懸念点があります。

車中泊で注意すべきポイントは?(画像:トヨタ)
車中泊で注意すべきポイントは?(画像:トヨタ)

 最大の懸念点は、健康上のリスクです。

 一般的な乗用車の多くは、大人が余裕を持って横になることのできるスペースを確保することができません。

 そのため、車内で睡眠する際には不自然な姿勢とならざるを得ず、十分に体力を回復できない可能性が高く、そうした状況が長く続けば心身に支障をきたしてしまうことになりかねません。

 近年では多彩なシートアレンジが行なえるクルマや、荷室がフルフラットになるクルマも登場していますが、それでも自宅のベッドのような寝心地を得られることはまずありません。

 また、十分な食事や水分をとらない状態で足を曲げたままの姿勢が続くと、血行不良によって血栓ができやすくなり、痛みや腫れを引き起こすことがあります。

 さらに、その血栓が肺へと流れると、肺に詰まって呼吸困難を起こす可能性もあります。

 これは、いわゆる「エコノミークラス症候群」と呼ばれるものです。

「エコノミークラス症候群」の対策として、車中泊の専門家は次のように話しています。

「エコノミー症候群は、食事や水分を取らず長時間同じ姿勢で座っていることで発症します。

 そのため、車内の空間をできる限り広くしたり、こまめなストレッチ、適度な水分補給や食事を取る必要があります。

 また、熱中症や低体温症は、車内の適度な温度を保ったり、服装で調整したりするなど、さまざまな対策を実施することによって、対処することができます」

エコノミークラス症候群の予防法(画像:厚生労働省)
エコノミークラス症候群の予防法(画像:厚生労働省)

 そのほか、災害時の車中泊では、電源やトイレを確保したり、冬季には防寒対策を行なったりしなければならない点にも注意が必要です。

※ ※ ※

 2023年は、関東大震災からちょうど100年にあたります。当時はクルマはごく一部の人だけのものでしたが、いまでは多くの人にとって欠かせないものとなっています。

 だからこそ、いざという時に備えて「クルマ×防災」に関する適切な知識と準備を行っておいたほうが良いでしょう。

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