600ccのエンジンを搭載するホンダ「N600」に自家製トレーラーを追加した個体がアメリカで発見されました。どのような特徴があるのでしょうか。

　アメリカを中心とした北米市場は、ホンダにとって新車販売台数のうちのおよそ3割を占める最重要市場のひとつです。

　その基礎を築いたのが「N600」です。

　当時の日本でベストセラーモデルとなっていた「N360」が360ccのエンジンを搭載した軽自動車であったのに対し、N600はおもに北米や欧州での販売を意識し、600ccのエンジンが搭載されています。

　アメリカで正規販売された初のホンダ車として、1969年にハワイ州で販売が開始されたN600は、その後ほかの州でも販売されるようになりました。

　残念ながら、N600はN360のようにベストセラーモデルとなることはありませんでしたが、ホンダにとっては記念碑的なモデルとして、いまでもファンの間で語り継がれる1台となっています。

　そんななか、少し珍しいN600がアメリカの中古車市場に登場して話題となっています。

　赤のボディカラーと黒のインテリアを持つこのN600は、全体的に良好なコンディションではあるものの、生産されてから50年以上が経過していることもあり、各所にはそれなりにダメージが見られます。

　走行距離は5万7000マイル（約9万1700km）となっており、600ccのエンジンとそれに組み合わされる4速MT、10インチのスチールホイールをはじめ、ほとんどの部分は純正のままの状態となっています。

　ブレーキやウィンドウガラス、シートやカーペットなどは、2015年以降に現在のオーナーが譲り受けて以降に交換されているようですが、外観や性能が大きく変わっているわけではありません。

　一方、このN600にはコンパクトなボディと見事にマッチするカスタムトレーラーが備わっている点が大きな特徴です。

　このカスタムトレーラーは、現在のオーナーによって製作されたもので、リアハッチやリアコンビネーションランプの形状はN600そのものという仕上がりです。

　タイヤも、N600と同サイズのものが装着されており、本体とのマッチングも抜群です。

　このカスタムトレーラー付きN600には、現地のユーザーも興味津々のようで、インターネット上には「クール！」や「かわいい！」といった声を見ることができます。

　ただ、「これはトレーラーではなく、ビールクーラーだ」や「自動車ショーに芝生用のイスを2脚持っていくことができるかもね」といったジョークを飛ばすユーザーも見られることからもわかるように、このトレーラーの実用性はあまり高くないようです。

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　コンディションにもよりますが、アメリカの中古車市場におけるN600の相場は、おおむね1万ドル（約135万円）前後となっているようです。

　一方、このカスタムトレーラー付きN600は、2023年3月9日に7300ドル（約99万円）で落札されています。かわいらしいカスタムトレーラーが付いてくることを考えると、意外とお得かもしれません。