2022年のクルマユーザーの気になる話題のひとつに「ガソリン価格高騰」が挙げられます。

　今年のガソリン価格はどのように推移したのでしょうか。また、2023年のガソリン価格はどうなるのでしょうか。

　ガソリン価格は、2021年に入ってから右肩上がりが続き、資源エネルギー庁が発表した2022年1月4日時点のレギュラーガソリン店頭小売価格（消費税込み）の全国平均は、1リットルあたり164.7円。

　その後、3月16日時点では全国平均175.2円となり10週連続の値上がりに。当時、県別で最安値だった徳島県もついに170円台になりました。

　当時、SNSでは「ガソリン高すぎ！」「ガソリン高い、、」とユーザーからの悲鳴が多数見られました。

　そんななか、石油価格の高騰を受け、政府は元売り企業に補助金を出す価格抑制策を実施。

　ガソリン、軽油、灯油、重油を対象に1月27日から1リットルあたり5円、3月10日から25円を上限として支給しています。

　これにより4月、5月と徐々に小売価格は値下がり傾向に転じ、5月には全国平均は170円を切ったものの、6月頃に再び170円台半ばまで上昇。しかし、8月以降は170円以下を維持しており、1年間を通しておおむね160円台半ばから170円台半ばの範囲内で推移しました。

　実際の小売価格は、各地までの輸送費用なども影響するため、製油所から遠い地域などではこれ以上にガソリン価格高騰の影響を受けています。

　2022年にガソリン価格が高騰した要因はいくつかあります。ひとつは円安の進行です。

　年初は1ドル115円ほどでしたが、3月頃から円安が進み、10月には一時150円を突破しました。

　日本は原油の大半を外国から輸入しているため、円安が進むと原油の輸入価格が上がり、ガソリンの価格にも影響します。

　また、2月以降のロシアによるウクライナ侵攻も濃い影を落としています。

　欧州諸国がロシアからの原油の輸入を制限している影響で、ロシア以外の原油生産国の需要が高まり原油価格が高騰しました。

　こういった状況を受けて、日本では4月から「コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策」として燃料油価格激変緩和対策事業がスタートしました。

　資源エネルギー庁によると、この事業はガソリンの全国平均小売価格が168円程度よりも上がらないように、石油元売り・輸入事業者に補助金を支給することにより、ガソリンの小売価格の急騰を抑えるものといいます。

　この補助金により、2022年のガソリン価格は全国平均で160円台半ばから170円台半ばで推移してきました。

　補助金は1リットルあたり35円まで支給され、それを上回る部分についてもさらに2分の1が支給される仕組みですが、資源エネルギー庁の資料によると補助金により抑制された価格は高い時で40円以上で、補助金がなければ1リットルあたり215円ほどになっていたと考えられます。

　また、この補助金は2023年9月末まで続く予定のため、2023年もしばらくは小売価格が維持される見込みです。

　一方で、現在35円とされている補助金の上限を、2023年1月から5月にかけて毎月2円ずつ、段階的に25円まで引き下げるなど、補助を縮小するという報道があります。

　これは、原油価格が下がってきていることを受けたもので、補助金の上限が下がっても販売価格が168円を大幅に上回ることはないと見込まれています。

　しかし、2023年後半は欧米諸国や中国の経済回復により、原油の需要も回復するとの予測もあり、ガソリン価格もこの影響を受ける可能性があります。

　ガソリン代の高さにユーザーからは悲鳴が絶えず上がっていますが、2023年のガソリン価格は、どのように変動していくのでしょうか。

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●2022年　レギュラーガソリン店頭小売価格（消費税込、1リットルあたり全国平均）

・1月4日時点：164.7円
・2月7日時点：171.2円
・3月7日時点：174.6円
・4月4日時点：174.1円
・5月9日時点：171.1円
・6月6日時点：169.8円
・7月4日時点：173.6円
・8月1日時点：169.9円
・9月5日時点：169.5円
・10月3日時点：169.1円
・11月7日時点：168.1円
・12月5日時点：168.1円
（資源エネルギー庁発表、毎月1週目の価格を抜粋）