激安「中国車」が来春上陸の噂… 市場調査は本当も…販売は未定! 話題の「宏光 MINIEV」真相を輸入元社長に聞いてみた!
近い将来、中国の自動車メーカーが日本で生産を始める日が来るかも?
同社が描いているビジョンについて伺いました。
「宏光MINI EVに限らず、まずは手の届きやすい価格帯のEVを日本に導入し販売していきたいと考えています。
さまざまな業界とのコラボレーションも事業展開の根幹の部分になりますね。
現時点では50社ほどの会社に話を持ちかけ、それぞれの会社が求める低価格EVを提供していく計画です。
単に電気自動車を輸入して安価で販売すれば良いわけではありません。
そこで重要になってくるのがインフラ整備やアフターサポートです。
アパテックモーターズは地方でのEV利用を促進したいと考えており、そのためには充電ステーションの整備も必須です」

そのために同社はEVシフトによってますます仕事が減ると予想される石油元売会社(ガソリンスタンド)との協業をすでに進めているとのこと。
EVカーシェア用の貸し出し拠点や、購入後のサービス拠点としてガソリンスタンドを活用することを検討しています。
また孫社長が描く「もっと先のこと」に関するビジョンも伺いました。「ゆくゆくは輸入だけでなく、中国メーカーを日本へ誘致、日本国内で自動車を製造させたい」との考えを明らかにするに続けて次のように語っています。
「円安はまだこれからも続くと思われます。
これを商機と捉え、日本で生産した中国製EVを各国へ輸出するレベルまで持っていきたいですね。
具体的な生産台数は年間10万から15万台を想定し、拠点は福島に設けることを考えており、福島の復興に繋げたい思いもあります」
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かつて「世界の工場」といわれていた中国は10年前に比べて人件費がおよそ10倍以上となり「中国で生産→日本に輸出」していた製造業の世界では日本に生産拠点を移す動きが見え始めています。
安い人件費はもちろん「日本製」という絶大な信頼とブランド力を獲得できるため自動車の世界でも近い将来、中国メーカーが日本で生産する時代が来る可能性もゼロではないと考えられます。
アパテックモーターズのような明確なビジョンを持つEVベンチャーが増えることは、既存の自動車企業にも強くて良い刺激になると思います。
お互いが高めあうことができれば、より良いEV開発のための環境づくりが実現されていくことでしょう。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。



































