超高級バス「エアロキング」にもう乗れない!? 東京-名古屋繋ぐ「プレミアム・シート」6月30日で運行終了! なぜ引退となるのか

2022年6月30日をもってJR東海バスが運営する超ゆったり「プレミアム・シート」の運行が終了するとともに、3台のエアロキングが引退します。どのような事情により引退となるのでしょうか。

超ゆったり「プレミアム・シート」が人気の「プレミアムドリーム号」

 JR東海バスが運行している、夜行バス「エアロキング」が2022年6月30日の運行をもって引退します。
 
 一体、どのような夜行バスになっているのでしょうか。また引退の背景にはどのような事情があるのでしょうか。

めちゃ豪華やん! 2022年6月30日の運行をもって「プレミアム・シート」の運行終了と、夜行バス「エアロキング」が引退する(画像提供:JR東海バス)
めちゃ豪華やん! 2022年6月30日の運行をもって「プレミアム・シート」の運行終了と、夜行バス「エアロキング」が引退する(画像提供:JR東海バス)

 夜行バスは、就寝時間を有効的に活用して長距離移動ができるというメリットにより、多くの人に利用されている交通手段です。

 一方で弱点も挙げられ、SNSでは「身体が痛くなった」「シートが寝づらくて寝れなかった…」といった、夜行バスならではともいえる“シート”についての意見が見られます。

 夜行バスでは、長時間座り続けなくてはいけないうえに、シートの多くは通常のバスのシートに近い形状になっているものも多く、身体を悠々と伸ばして眠ることなどは困難です。

 そんななか、JR東海バスが運行している夜行バス「エアロキング」には、ゆったりと座ることができる「プレミアム・シート」が魅力の「プレミアムドリーム号」もラインナップされ、人気を集めています。

 ただ、このプレミアムドリーム号のうち3台が、2022年6月30日の運行をもって引退することが明らかとなりました。

 エアロキング・プレミアムドリーム号とは、一体、どのような夜行バスなのでしょうか。

 プレミアムドリーム号は、2009年から「東京-名古屋間」で運行されている2階建ての夜行バスで、座席数は全33席。

 2階に3列シートが30席と、1階は3席のみの配置となっており、この1階の3席がプレミアム・シート仕様となっています。

 プレミアム・シートでは、大型のレッグレストとオットマン、可動式の枕に、幅60cmのゆったりとした座面を採用。

 さらに、シートは幅広くリクライニングさせることができ、好みの角度でリラックスした乗車時間を過ごすことができるのが魅力です。

 チケット発売直後に売り切れることも少なくないというプレミアムドリーム号ですが、なぜ引退してしまうのでしょうか。

 JR東海バスの担当者は、その理由を次のように説明します。

「車両が老朽化したことが終了した背景です。

 2009年製のバスと2005年製のバスがありましたが、このバスは国内で生産が終了しているため、今後新たに導入する場合には、ほかのバスと同様の外国産のバスになる見込みです」

 エアロキングは、1980年代から2010年にかけて、三菱ふそうが製造していた大型バスです。

 かつてから、JRのバスとしての活用が多いため、街中でみかけたことがあるという人もいるかもしれません。

 現在では、すでに生産終了となっているため、今後JRバス東海バスが新車両を導入する際には、異なるモデルの導入が余儀なくされます。

 なお、JR東海バスでは、これまでビジネスシート車も含めて、エアロキングを計6台保有しており、今回、引退となってしまうのは、車両番号「744-05991 MU612TX」「744-09991 BKG-MU66JS」「744-09992 BKG-66JS」の3台。

 744-05991 MU612TXに関しては、7月1日以降も養成車やイベント車両として当面の間は活用されるようですが、実際に運行されるエアロキングは残り3台となります。
 
 今回の3台の引退を受けても、今後、エアロキングが見れなくなってしまうというわけではありませんが、台数が少なく希少となってしまうことは間違いないようです。

※ ※ ※

 引退するプレミアムドリーム号の最終運行は、2022年6月30日の「ドリームなごや4号」(名古屋-東京間)です。

 引退にともなって、SNSでは「最後までどうかご安全に」「本当にありがとう。そしてお疲れさまでした」「なくなるのが悲しい…」と、別れを惜しむユーザーも少なくありません。今後、残りのエアロキングの活躍にも期待が高まります。

【画像】引退する「エアロキング」が凄かった! & 完全個室バスってどんな感じ? 実車で体感する!(18枚)

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