ついにホンダ新型「ステップワゴン」発売! コンセプトの原点でありホンダ起死回生の一打となった初代ステップワゴンを振り返る
ホンダは2022年5月26日に、6代目となる新型「ステップワゴン」を正式発表しました。すでに先行して情報公開されており、外観は「初代に回帰したのでは」と評されています。そこで、1996年に誕生した初代ステップワゴンはどんなモデルだったのか振り返ります。
ホンダの救世主となった初代「ステップワゴン」を振り返る
ホンダは2022年5月26日に、6代目となる新型「ステップワゴン」を発表、27日から発売されます。
新型ステップワゴンの大きなトピックスとして、標準モデルにあたる「Air(エアー)」とカスタマイズモデルの「SPADA(スパーダ)」の2タイプが展開され、さらに車体は全幅1750mmとシリーズ初の3ナンバー専用ボディとなった点が挙げられます。
すでに2021年12月に先行情報が公開され、2022年1月には内外装のデザインを含めてさらに多くの情報が公開されていました。
とくに外観デザインは初代に原点回帰していると評され、スクエアなフォルムが特徴です。
そこで、1996年に誕生した初代ステップワゴンとはどんなクルマだったのか、振り返ります。
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ホンダは1994年に、同社初のミニバンである初代「オデッセイ」を発売。
すでに各メーカーからミニバンが登場していましたが、オデッセイは比較的低全高のスタイリッシュなステーションワゴンタイプのフォルムで、5代目「アコード」のプラットフォームをベースにしたことで、セダンからの乗り換えでもドライブフィールに違和感が少ないなど、魅力的なミニバンとして大ヒットを記録しました。
そこで1996年5月に、ホンダはさらなるミニバンラインナップの拡充を図り、第2弾となる初代ステップワゴンがデビューしました。また、生活創造車=クリエイティブムーバーシリーズのオデッセイ、「CR-V」に続く第3弾という位置づけでした。
コンセプトはズバリ「家族みんなの使い勝手」=「ユーティリティ」をデザインするクルマです。
外観デザインはオデッセイと異なり、スクエアなフォルムのセミキャブオーバータイプのボディとされ、全長4605mm×全幅1695mm×全高1830mm(2WD)と、5ナンバーサイズに収められていました。
ドアは左側フロントがヒンジドア、リアがスライドドア、右側が運転席のみのヒンジドア、それと上方開きのリアゲートの変則4ドアとなっていました。
内装は人のスペースを最大限に、メカニズムスペースを最小限にという発想のもとデザインされ、FFのメリットを生かして低床化したことによってクラス最大級の室内空間を確保。
2列シート5人乗りと3列シート8人乗りをラインナップしてシートアレンジも多彩で、3列シート車では2列目シートの回転対座仕様が設定され、さらにダブルベッド並のフルフラット化も可能となっていました。
また、3列目シートは左右跳ね上げ式で、フロア面もフラットだったことから荷室のアレンジも多彩でした。
インパネはアップライトなデザインで見やすさと使い勝手を優先した設計とされ、室内を有効活用できる豊富な収納スペースが随所に設けられていました。
搭載されたエンジンは全グレードとも最高出力125馬力を発揮する2リッター直列4気筒DOHCで、トランスミッションはコラムシフトの4速ATのみが組み合わされ、駆動方式はFF(2WD)とスタンバイ式4WDをラインナップ。
サスペンションはフロントがストラット、リアがダブルウィッシュボーンの4輪独立懸架を採用し、スプリングレートを低くおさえることでフラットな乗り心地を重視したセッティングとなっていました。
そして価格はかなり戦略的で、2列シート車が154万8000円から、3列シート車が179万8000円(東京価格:消費税含まず)からと、オデッセイよりもかなり安価な設定を実現しました。
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初代ステップワゴンは基本に忠実なミニバンであり、しかも安価な価格から、発売以来1997年7月までの14か月で約14.6万台、1月平均1万台を超える登録台数を達成する大ヒットを記録。
バブル崩壊後に財務状況が悪化して、当時の財界では三菱による買収の噂もあったホンダですが、オデッセイとステップワゴンの連続大ヒットによって救われたといいます。
その後、ステップワゴンはベーシックなミニバンというコンセプトを継承して代を重ね、今回の6代目発売の運びとなりました。
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