韓国「ヒョンデ」が日本法人名を変更!? 新型SUV「ネッソ」の新戦略で勝負? 日本再上陸まで秒読みか

ヒョンデ日本再進出のカギは? 2022年についに本格始動なるか

 実はここ1、2年の流れよりも前から、日本撤退後のヒョンデ車はたびたび日本で目撃されていました。

 そのひとつがヒョンデの高級車「ジェネシス」です。

 元々は「ヒョンデ ジェネシス」という高級セダンでしたが、2015年に「ジェネシス」ブランドとして独立以来、セダンやSUVなど6車種を展開しています。

 日本では韓国の在外公館が数台所有しており、東京・港区周辺であれば駐日本国大韓民国大使館の初代ヒョンデ ジェネシス(BH型)や、ジェネシスブランドにおけるフラッグシップ「G90(HI型後期)」を見かけることが出来ます。

 そのほか、横浜中心部であれば駐横浜大韓民国総領事館のG90(HI型前期)などが外交官車両として、通称「外ナンバー」を装着して走行する様子を度々目にすることができます。

 着実に日本再参入の準備を進めているかのように見られますが、いざ再参入したらどのような車種を実際に販売するのか、そのヒントが日本市場に参入していた時代のヒョンデにあります。

 大阪商業大学総合経営学部教授の孫 飛舟氏が2008年に当時の現代・起亜モーターズ海外政策分析部部長、宋 昌一氏と対談した際の紀要論文「韓国現代自動車のグローバル戦略について」というものがあります。

 そこでは、当時のヒョンデを取り巻く各市場の状況、そしてとくに日本市場ではどれほど苦労していたかが語られています。

 そのなかで、宋氏は今後の展望として、「日本が得意でない分野あるいは日本とは違う方式(戦略)を通じて食い込んでいくしかない」と語っています。

 新燃料や新車種の導入にも言及していますが、結局この対談から1年後、日本から撤退しました。

 筆者はここに再参入のカギがあると見ています。先ほど紹介したように、ヒョンデは先行して燃料電池車や、新型の電気自動車を日本に入れています。

 他国に比べて市場規模としてはまだまだ成長途中である車種群を、ヒョンデはチャンスと捉えているに違いありません。

 ネッソなどの燃料電池車、そしてアイオニックシリーズの新車種など、ヒョンデのカードは十分にあるでしょう。

 なお、ネッソに関してはすでに車両価格が補助金額とあわせて次世代自動車振興センターの公式ウェブサイトの「令和3年度 CEV補助金(2022年1月25日時点)」には、706万2091円(消費税抜)と明記されています。

 また、正規販売が開始されていないものの、2021年の段階では日本向けのウェブサイトやカタログもすでに公開済みで、保証期間については「5年又は10万km」とされているなど、着々と準備は進んでいるようです。

すでに個人間カーシェアのエニカではネッソを借りて乗ることが出来ていた(撮影:加藤博人)
すでに個人間カーシェアのエニカではネッソを借りて乗ることが出来ていた(撮影:加藤博人)

 また、個人的にはヒョンデ Nも導入されたら面白いでしょう。

 ヒョンデ Nはヒョンデのパフォーマンスモデル群で、現在はi20 Nやi30 N、ヴェロスターNなどのホットハッチ、セダンのエラントラN、そして小型クロスオーバーのコナNがあります。低価格かつスポーティーな車種を導入すれば、一定の層からは好評になるのではないかと予測します。

※ ※ ※

 13年ぶりの日本、かつて勝負を挑むも敗れてしまった市場で、ヒョンデはどのように日本での存在を再びアピールすることになるのか、注目です。

【画像】日本ですでにお披露目されていた!? ヒョンデ新型SUV「ネッソ」がカッコいい!(23枚)

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Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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