改造だけで500万円! キラ仕様のボディ彫刻「ハーレー」お披露目! 芸術GT-Rも手掛けるカスタムの最新作とは
カスタムペイント界の鬼才 初めてのカスタムバイク挑戦
今回、ROHANブースにメインで展示されたハーレーは2台で銀色は米国ハーレーダビッドソン「FLHX ストリートグライド ミルウォーキーエイト(2018年モデル)」をベースにしており、井澤氏にとって初めてカスタマイズを手掛けた2輪車となりました。
インパラやGT-R、アルファードなどこれまで井澤さんが手がけたクルマとハーレーとではどのような違いがあったのでしょうか。東京オートサロン会場で井澤さんに聞いてみました。
――初めての2輪車へのエングレイビングカスタムですが、どのようなきっかけで生まれましたか?
インパラを作っていた頃にバイクは塗らないって決めてたんですよ。
でも、「バイクも塗って欲しい」「バイクは塗らないんですか?」みたいな問合せをたくさん頂くようになりました。
それで、「バイクは塗らない」って決めてたらあかんのやないかなと。要望があれば何でも塗ろうって思うようになったんです。
今回出展したハーレーはお客さんが所有するもので「ぜひ塗って欲しい」と。時間的なことも全面的に協力するし、完全に任せるからということでスタートしました。
――クルマと違うのはどんなところですか?
ハーレーはパーツが球体になっていたり湾曲が多かったりで彫刻もメタル塗装も非常に手間がかかりましたね。
ガソリンタンクやカウル類、トップケースなど細かいパーツに分かれており、それぞれのパーツをバラして塗って乾燥させての繰り返しですから、パーツ脱着の手間なども考えると塗る面積は狭くても合計の時間はクルマとあまり変わりませんでした。シルバーのモデルは完成まで6、7か月かかりましたね。
――苦労した点は?
一番苦労したのは、「いかにムリなく各パーツのデザインをつないでいくか?」ということでした。
パーツとパーツの彫刻を自然に美しくつなげるデザインを考えることに時間を費やしました。
クルマはボディが繋がっているので横は横、後ろ後ろでそれぞれ仕上げていけばいいんですが、ハーレーは後ろから見ても横から見ても全部が視界に入ってくるので全体のバランスと彫刻のつなぎ方がもっとも悩んだところです。
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ついにバイクの世界にも井澤氏の超絶技巧を施したカスタムハーレー、今後は国内外のショーにも出展していくそうです。
最後に気になる値段について聞いてみたところ、「シルバーのハーレーはカスタムの部分だけで約500万円、同じく赤い方は300万円」とのこと。
唯一無二のカスタムハーレーはアメリカ本国のハーレーファンからもアツい注目を集めそうです。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。