ブガッティ「ヴェイロン」を買うなら今! プレ値がつく前に上質な個体を手に入れたい
走行距離がわずか1200kmというブガッティ「ヴェイロン」が、オークションに登場しました。落札価格はおよそ1億7000万円。新車当時価格とほぼ同額での落札だった「ヴェイロン」は、いまが買い時なのでしょうか。
「ヴェイロン」を狙うなら今が狙いどきか!?
2021年8月、2年ぶりに開催されたモントレー・カーウィークでは、メインイベントである「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」および、その前日の「ザ・クエイル・モータスポーツギャザリング」の双方を舞台に、ブガッティ・オトモビルS.A.S.が大掛かりなプレゼンテーションで、「ボリード」や「シロン・シューペルスポール(スーパースポーツ)」などを初公開し、アメリカのファンの度肝を抜いたことは記憶に新しい。
そのかたわら、RMサザビーズ北米本社が3日間にわたって開催した巨大オークション「Monteley」でも、近現代のブガッティを代表するモデルたちが出品され、全世界に話題を提供した。そこで今回は、目覚ましい落札価格をマークした「ヴェイロンEB16.4」のオークションレビューをお届けしよう。
●2008 ブガッティヴェイロンEB16.4
VWグループの庇護のもとに再生したブガッティのファーストモデル、ヴェイロンEB16.4は、1999年の東京モーターショーにて参考出品された6年後、2005年の同じく東京モーターショーにて、市販モデルとしてワールドプレミアに供された。
その名は、1939年のル・マン24時間レースで「ブガッティT57Gタンク」とともに優勝したドライバー、ピエール・ヴェイロンの名前から採られたという。
挟角V8エンジンを2基組み合わせた、複雑至極なW型16気筒8リッター+クアッド(4基)ターボのエンジンが発生する1001psのパワーを生かして、409km/hという当時の市販車としては前人未到の最高速度を達成。この数値をベンチマークとして、のちに「打倒ブガッティ」を標榜する超高性能車が続々と登場することになった。
また、日本デビューに際して当時の日本総代理店「ニコル・レーシング」が設定した、1億6300万円(のちに1億7700万円)というプライスまでがある種の記号性を帯び、「21世紀最初の10年を代表するスーパーカー」あるいは「ハイパーカーの先駆け」と称されることになった。
今回出品されたヴェイロンEB16.4は、シリーズ総計450台が製作されたヴェイロンのなかでも、252台といわれるスタンダード版の1台であり、66台目に作られたヴェイロンで、北米仕様としては20台目にあたるという。
エクステリアは、ヴェイロンの特徴的なラインと複雑な曲線を微妙に強調する、シルバーの濃淡による2トーン仕立て。インテリアは「シルク」と呼ばれるアイボリーと「アンスラサイト(グレー)」のコンビレザーで、1930年代以前のクラシック・ブガッティのごとく、エンジンターンド仕上げのセンターコンソールが組み合わされる。
新車としてデリバリーされて以降のオーナーは歴代2名。初代オーナーは約10年の所有ののち、5万1000ドル(邦貨換算約560万円)を費やしたメンテナンスをおこなった上で、2018年に現在のオーナーであるアパレルブランド「the Fox Collection」に譲渡したものの、通算の走行距離はわずか750マイル(約1200km)に過ぎない。
アメリカ仕様のヴェイロンは、76台のみという希少車。さらにこの個体は最高速まで出すための「スピード」キーを収めたプレゼンテーションボックス、オーナーズマニュアル、純正ツールキット、専用のバッテリーテンダー、そしてサービスの請求書も含むドキュメントも完備しており、今世紀初頭に再生したブガッティ・ブランドの「サーガ」と、現代ハイパーカーの歴史を切り拓いた記念碑的モデルの正しい姿を完全に体現していると公式カタログでは謳われていた。
このヴェイロンにRMサザビーズ北米本社が設定したエスティメートは、120万−140万ドル。ハンマープライスは、エスティメート上限を上回る154万5000ドル、つまり約1億7000万円で落札されることになった。
奇しくも日本での新車販売価格と同程度の落札価格となったヴェイロンだが、今後プレミアが付くであろうことを考慮したら、ひょっとしたら今が狙い時なのかもしれない。
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