100万円台のトヨタ新型「カローラクロス」 なぜ「199.9万円」というギリギリ価格を設定? どんな効果があるのか
ビジネス向け以外に設定する意味とは?「ギリギリ価格のグレード」が登場する背景とは?
ビジネスユーザー向けに装備が簡素化された安価なグレードが設定されることは、トヨタだけでなくほかの国産メーカーでも見受けられます。
では、今回の新型カローラクロスでは199万9000円という「ギリギリ価格」で設定される理由とはどのようものなのでしょうか。
こうしたギリギリ価格のグレードを設定することは、一般的なマーケティング手法としてよく見られる手法です。
実際に、2020年6月にフルモデルチェンジしたトヨタ「ハリアー」はエントリーグレード「S(ガソリン車/2WD)」を299万円からに設定し、大きな話題となりました。
また、ある輸入車ブランドでは、399万9000円という価格設定をして広告などでその価格をアピールしていました。
しかし、そのグレードはほかのグレードとは異なり、受注生産しか受け付けておらず、実際にはほとんど販売されなかったようです。
こうしたギリギリ価格は、クルマだけではなく家電や街中のスーパーなどでも見受けられ「9万9800円」や「198円」など10万円でも200円でもない表示が定着しており、人の心理として端数のほうがお得感があるように感じられるのです。
とくに、自動車業界においては、ギリギリ価格による恩恵はあるようです。
モータリゼーションが進んだ日本では、クルマが必要な人はすでにクルマを持っている状態であり、待っていればお客さんがやってくるという状態ではありません。
しかし、新規顧客を取り込むために自動車メーカーなどができることは少なく、新型車に興味を持ったユーザーが店舗にやってくることは、新規顧客獲得のための絶好の機会であるといえるほか、既存顧客に対しても乗り換えをオススメすることができます。
商談の場が持てれば、ユーザーのニーズに合わせたクルマを案内したり、値引きやローン相談のきっかけをつくることができます。
世界3位の経済大国である日本では、毎年多くの人がクルマを購入しますが、その気になればより上級車種を買えるという人は少なくないといわれています。
ただ、堅実な国民性に加えて、ここ数年の先行き不透明な心理状況を考えると、やはり生活にかかるコストは低いに越したことはないと考える人が多いのも事実です。
そこで、ギリギリ価格のグレードによってお買い得感を演出し、興味を持ったユーザーにまずは店舗に足を運んでもらうことで、商談の場を作りたいというのが本音でしょう。
また、新型カローラクロスは大衆車の代名詞とも「カローラ」の名を冠していることから、幅広いユーザーのニーズに合わせたグレードが設定されるのは、既定路線といえるかもしれません。
安い「グレード」を作って
車の値段を安く見せる
結局カローラクロス
260万くらいが売れ筋グレードになる‼️